平成29年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2017年11月27日

 平成29年第4回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、9月17日に台風18号が九州に上陸し、大分県南部では河川氾濫等により甚大な被害が発生しました。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。中津市におきましても、土砂災害や河川氾濫の危険性が高まったことから、三光、本耶馬渓、耶馬溪、山国地域に避難勧告を発令いたしました。幸いにも、市内での大きな被害はありませんでしたが、これからも市民の皆様の安全を第一とした対応に努めてまいります。
 次に、子育て世帯の支援についてです。雨の日や猛暑の日でも親子で遊べる屋内施設「子どもいきいきプレイルーム」の整備に関しまして、11月1日に、施設所有者である株式会社サンリブと使用貸借契約の調印を行いました。多くの子育て世帯に利用していただける施設となるよう、12月16日のオープンに向けて整備を進めております。
 また、放課後児童クラブについては、近年児童数が増加している北部校区において、待機児童解消のため増設を検討しており、4月からの開設に向けて運営事業者の公募手続きを進めております。
 さらに、小幡記念図書館では、あかちゃんの泣き声やはしゃぎ声などが心配で図書館へ行きにくいという子育て世帯の方へ配慮した「あかちゃんタイム」を開始いたしました。11月以降、毎月第3水曜日の午前10時30分から12時30分の間、小さなお子さま連れでも気兼ねなく図書館を利用できるよう、職員とボランティアがサポートいたします。今後も、こうした取り組みを広げていくことで、子育て世帯に満足していただけるまちづくりを進めてまいります。
 次に、高齢者福祉についてです。昨年度から建設を進めておりました「山国社会福祉センター」が完成し、来年1月15日から供用開始することとなりました。山国地域の高齢者を中心とした福祉の拠点施設としての役割を担うほか、「みんなのお店やまくに」など周辺施設との相互利用促進により、地域住民の交流の場としての活用も図ってまいります。
 次に、住環境の整備についてです。平成27年度より建替を進めております市営三沢住宅のうち、2棟22戸が10月に完成いたしました。以前に比べ居室空間を広く設け、バリアフリー化にも対応するなど、幅広い年齢層の方々に快適に生活していただける住宅となっており、平成31年9月末には全棟が完成予定となっています。
 次に、中津市の特産品の高付加価値化とブランド化の取り組みについてです。東京都内にある大分県のアンテナショップ「坐来大分」において、10月3日から11月6日までの間、中津市産の農林水産物及び加工品のPRと7月の九州北部豪雨の復興支援を兼ねて、「中津食材・復興支援フェア」を開催いたしました。約1ヶ月にわたり、中津の食材をふんだんに使用したメニューでディナーを提供したほか、関東近郊の飲食店、バイヤーなどを招待しての商談会も開催し、事業者が食材・加工品のこだわりや魅力を直接バイヤーにアピールするなど新たな販路開拓を行いました。
 また、「なかつ6次産業推奨品(なかつファイブスターストーリー)」に新たに「昔ながらの手作り梅干し」、「梅酢」、「梅肉エキス」の3商品が追加され、これにより「なかつブランド」の認証は、計5事業者、10商品となりました。さらに、ブランド牡蠣「ひがた美人」につきまして、大分航空ターミナル株式会社と大分県漁協中津支店がコラボレーションした新商品「ひがた美人牡蠣のアヒージョ」が開発されたほか、11月11日には「ひがた美人」を広く知っていただくためのシンポジウムも開催されました。今後も中津市の特産品を活かした新商品の開発や、新たな販路開拓を支援してまいります。
 次に、企業立地についてです。10月2日に大分県庁において、オイレス工業株式会社の立地表明が行われ、増設による設備投資額は約50億円、新規雇用者数は20名となっております。また、株式会社ユニポイントからも増設に伴う立地表明があり、設備投資額は約8千万円、新規雇用者数は3名となっております。このように、活発な企業活動による波及効果や雇用の創出は地域経済の活性化につながるものであり、今後も大分県と連携して積極的に誘致活動に努めてまいります。
 次に、観光の振興についてです。秋の行楽シーズンを迎え市内各地が多くの観光客でにぎわっております。その中で、三光コスモス祭り実行委員会の取り組みが、農林水産省主催の「豊かなむらづくり全国表彰事業」において、九州農政局長賞を受賞いたしました。多くの地域住民が作業に関わりながら、自主的な環境保全活動や農業生産者の収入増加につなげている点や、伝統芸能の継承にも貢献している点が評価されたものです。市内各地でのこのような取り組みが、単なる観光誘客にとどまらず、産業・文化など多方面へ波及していくことで、地域の元気づくりにつながるよう、今後も継続して支援してまいります。
 また、10月6日にはクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」が7年ぶりに中津港に寄港いたしました。当日はあいにくの雨となりましたが、船内での歓迎セレモニーの後には、乗船客の方々にシャトルバスによる道の駅なかつの訪問をはじめ、中津市を中心としたツアーを満喫していただきました。また、埠頭では足湯や耶馬溪茶のふるまいなどにより、乗船客や乗組員をおもてなししました。クルーズ船の寄港による経済効果とともに、全国に中津市を知っていただく好機として、引き続きクルーズ船の誘致に努めてまいります。
 さらに、サイクリングを通じた体験型観光につきまして、大貞公園周辺や八面山周辺でのサイクリング利用の可能性を調査するため、ダイハツ九州アリーナにおいてレンタサイクル事業の試験運用を行いました。また、9月には観光友好交流の協定を締結している台湾台中市からの訪問団が、メイプル耶馬サイクリングロードを走行したほか、台湾で開催された「台湾一周サイクリングイベント」や、大分県主催の台湾プロモーションにも中津市から参加するなど、相互の交流促進や観光等のPRに努めました。今後も、サイクリングをひとつのきっかけとして、中津市に国内外から多くの方が訪れ、様々な観光資源に触れていただける機会を創出してまいります。
 次に、ロケツーリズムの推進についてです。8月26日に東京で開催された「第3回全国ふるさと甲子園」において、全国から出場した55自治体の中で、中津市が「ロケしたいまちNo.1」に選ばれました。選考は映像関係者によるもので、 いわば"プロが選ぶロケ地"として評価をいただいたものと考えております。この受賞が、今後のロケ誘致への弾みとなるものと期待しております。
 また、来年1月1日にはNHK正月時代劇で、江戸時代の中津藩医・前野良沢を主人公とする「風雲児たち~蘭学革命(れぼりゅうし)篇~」が放映されます。そこで、前野良沢の功績を広くPRすることや、今年7月の九州北部豪雨災害からの復興支援を目的に、このドラマで主演を務める片岡愛之助さんほか、出演者の皆さんをお招きして「放送前日プレミアムトーク!in中津」を12月31日の大晦日に開催いたします。あわせて、12月6日から来年2月12日までの間、大江医家史料館では、協賛特別展「『解体新書』と前野良沢」を開催するなど、ドラマ放映を契機に、さらに多くの皆様が中津市へお越しいただけるようPRに努めてまいります。
 次に、スポーツの振興についてです。現在、中津市では、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、マレーシアのバドミントン競技の事前キャンプ誘致を目指して取り組みを進めており、9月30日に、バドミントン日本代表として北京オリンピック等で活躍した大分県出身の末綱聡子さんをお招きし、講演会とバドミントン教室を開催いたしました。また、10月には昨年に続き、マレーシアの競技関係者が、中津市を始めとした大分県内施設の視察に訪れました。中でもダイハツ九州アリーナについては高い評価をいただいており、引き続き、キャンプ誘致に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、11月5日には、今年で6回目となるオリンピックデーラン中津大会を開催し、市内外から800名を超える方々に参加いただきました。今後も、こうした活動を通して、キャンプ誘致に向けた機運の醸成とともに、市民がスポーツに親しみ、健康づくりや交流にもつながるよう、スポーツ振興に積極的に取り組んでまいります。
 次に、文化振興についてです。来年10月から11月にかけて開催される「第33回国民文化祭・おおいた2018」、「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」のプレイベントとして、中津市出身の版画家「松本古寿展」、及び九州周防灘地域の障がいのある方々によるアート作品展をそれぞれ開催し、多くの皆さんにご観覧いただきました。また、国民文化祭で上演する市民参加のミュージカル「山国川奇譚 鶴市愛歌」のオーディションなども行われ、来年度の本番に向けて、多くの市民が参加できる取り組みも進めております。これらのイベント等を通して、誰もが文化・芸術に親しむとともに、国民文化祭等の開催のPRと機運醸成を図ってまいります。
 次に、グローバル人材の育成につきまして、7月にグアムでのジュニア・グローバル・リーダー研修を実施したほか、10月28日には市内中学生が立命館アジア太平洋大学の学園祭に参加いたしました。学園祭では、大学生やALTと英語を使って自分の思いを伝えたり聞きあったりするグループ活動や、会場内で学生に英語でインタビューするなどの体験活動を行いました。今後も、多くの子どもに、生きた英語体験や国際的な文化理解を深める機会を提供し、子どもの可能性を拡げる教育を進めてまいります。
 次に、高速交通網の整備についてです。10月17日に、「大分県東九州新幹線整備推進期成会シンポジウムin中津」が開催され、市内外から多くの方が参加されました。「東九州新幹線のもたらすものと実現への方策」と題した基調講演や、経済界、観光業界等の方たちとのパネルディスカッションを通して、東九州新幹線の整備計画路線への格上げを官民協働で目指す機運を高めました。また、中津日田道路につきましては、11月15日および16日、日田市と連携し早期完成に向けて、国への要望活動を行いました。今後も、交流人口の拡大や、拠点としてのポテンシャルの顕在化のため、高速交通網の整備に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、広報の取り組みにつきまして、第2回大分合同新聞広告賞が10月20日に発表され、過去1年間に掲載された1万点以上の紙面広告の中から、自治体としては唯一、中津市の広告「夏まつり中津」が銅賞に、「森羅万象 やばけい遊覧」が奨励賞に選ばれました。今後も、創意工夫を凝らした広告制作や、多様な手段での情報発信により、中津市の魅力をより多くの方に知っていただけるよう努めてまいります。
 次に、自治体間の連携についてです。10月に開催いたしました北九州市との共催による「北九州-中津ウオーキング大会2017」や、友好都市である太宰府市での観光イベントなどにおきまして、行楽シーズンに向けた中津の観光情報や中津産品のPR等を行いました。今後も、様々な機会を通して、他自治体との交流を深めてまいります。
 また、大学との連携につきまして、9月から11月にかけて、立命館大学、慶應義塾大学、日本文理大学の学生が、中津市内でフィールドワークを実施いたしました。フィールドワークでは、中津城下町のまち歩きや山間部での農業体験、地域活動への参加など、中津ならではの様々な体験をしていただいたほか、地域住民や市職員との意見交換会も行うなど、地域と学生の双方にとって実り多い活動となりました。また、11月29日には、昨年、協定を締結した神戸大学との連携事業として、神戸大学から講師をお招きしての出前講義を実施する予定です。今後も、大学との連携を一層すすめ、課題解決の手段としてはもちろんのこと、地域で活躍できる人材の育成にもつながるよう、積極的に取り組んでまいります。
 最後に、第5次中津市総合計画につきまして、10月31日に、フォローアップ会を開催しました。総合計画及び地方創生総合戦略においては、毎年PDCAサイクルによる客観的な成果の検証を行うこととしており、フォローアップ会では外部の方を委員として委嘱し、各施策の進捗状況等を報告しました。今後も、「暮らし満足No.1」の実現に向け、「安心づくり」「元気づくり」「未来づくり」に係る様々な施策を効果的に実行してまいります。
 以上をもちまして、諸般の行政報告等を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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