令和5年第3回定例市議会の行政報告

公開日 2023年09月04日

 令和5年第3回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。

 まず、7月の豪雨災害についてです。
 7月7日からの大雨により、1名の尊い命が失われました。亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 7月10日には、平成29年九州北部豪雨以来となる大雨特別警報が発表されたことを受け、市としては初となる警戒レベル5緊急安全確保を発令し、迅速な災害対応に当たってまいりました。
 被害の状況としては、住宅の全壊、半壊、床上・床下浸水、土木関係施設では、道路、橋梁、河川、さらに、農林水産業、その他、公共施設など、8月10日現在で、被害総額89億6千万円に上る非常に大きな被害を受けました。
 この状況を受け、中津市は日田市と共に、即日、災害救助法が適用されました。市では、被災後、直ちに住民の安全確保と生活支援を行うため、予備費、専決予算を措置して対応するとともに、関係機関と連携して復旧・復興計画を策定し、一刻も早い被災者の生活再建と被災箇所の復旧のため職員一丸となって取り組んでいます。また、国や県に対して山国川改修事業や流域治水対策等について要望するとともに、8月22日には国土交通省などを訪問して復旧と防災力強化の要望を行いました。
 また、被災者支援、復旧にあたっては、600名を超えるボランティアの方々による活動や、企業からの支援物資の寄附など、皆様より心強い応援をいただきましたこと、心より感謝を申し上げます。
 なお、7月4日に、大分県土地改良事業団体連合会と「災害支援等に関する協定」を締結しています。この協定により、災害発生時の農地・農業施設等の応急対策や復旧のための人員確保等が可能となり、今回の豪雨でも迅速な被害状況調査などにご協力をいただきました。
 また、これまでも激甚化・頻発化する災害への対策を行ってきましたが、災害対応力の一層の強化を図るため、新たに9月1日付けで元自衛官である人材を「防災危機管理監」として任用いたしました。防災や危機管理に精通しており、災害発生時の対応や自衛隊との連携強化に加えて、平常時の訓練の充実など、防災能力の更なる向上に努めます。
 今後も、人命を最優先に、様々な災害に対応できる防災・減災への取り組みを進めてまいります。

 次に、物価高騰に対する支援についてです。
 物価高騰に直面し、影響を特に受ける低所得の子育て世帯を支援するため、児童1人あたり一律5万円を支給する「子育て世帯生活支援特別給付金」について、8月末時点で1,340世帯、1億1,970万円を支給しています。
 また、子育て世帯への経済的支援として、市内の小・中学校、支援学校、幼稚園及び保育園等に通学・通園する3歳から15歳までの子どものうち、第2子以降について9月から来年3月までの給食費を無償としています。
 さらに、物価高騰の状況下でも、保護者に負担増を求めず、質・量ともに安定した学校給食を提供できるよう支援を継続しているほか、給食費に係る就学援助制度の認定基準額を拡大しています。
 また、地域経済再活性化・生活者支援では、第7弾のプレミアム商品券として「福澤諭吉先生40年間ありがとう商品券」を発行しました。過去最多となる28,171人の方々から購入申込をいただき、プレミアム分を含む発行総額は8,370万円で、10月より利用が可能となります。

 次に、産業支援についてです。
 6月24日、ダイハツ九州アリーナにおいて「中津市企業合同就職説明会」を開催しました。市内企業43社がブースを設け、市内外の高校生や大学生、一般求職者など約200名が参加しました。参加者アンケートでも好評をいただいており、今後も、市内企業の魅力発信と就職促進を図ってまいります。
 平成5年にオープン、平成9年に道の駅となった耶馬トピアが、7月で開業30周年を迎え、8月20日に記念式典が開催されました。本耶馬渓を中心としたそばを提供し、その魅力と観光情報の発信拠点となる施設であり、青の洞門・羅漢寺インターチェンジの開通に伴って更なる発展が期待されます。

 次に、観光振興についてです。
 7月から8月にかけ、中津祇園、TOTO夏祭り、やまくにGENRYU夏祭り、耶馬溪湖畔祭り、鶴市花傘鉾祭りなど、市内各所で様々なお祭りやイベントが開催され、大変なにぎわいを見せました。
 中津祇園については、4年ぶりに従来規模での開催となり、その様子が、ダイドーグループのドキュメンタリー番組「日本の祭り」にて、『中津っ子純情!~走る文化財「中津祇園」~』と題して、9月3日にOBS大分放送で放送されました。BS放送でも全国に発信される予定であり、中津祇園の魅力を伝える大きなチャンスとなりました。また、友好都市太宰府市のPR隊も4年ぶりに参加しました。
 観光客の誘客促進として、7月に東京商工会議所主催の「明治の偉人ゆかりの地物産展」に、8月には福岡市で開催された「世界水泳選手権2023福岡大会」の関連イベントに、また、北九州市の「わっしょい百万夏まつり」にブースを出展し、なかつ6次産業推奨品の販売とともに観光や不滅の福澤プロジェクトのPRを行いました。
 さらに、秋の一大イベントである三光コスモス園開園に向けた準備も進めています。7月2日には157名の方が1回目の草刈り作業に参加し、同29日には最初の耕起作業が行われるなど、開園に向けたスタートが切られました。今年も、コスモスアートやマルシェ、子どもたちの遊び場など来園者が楽しめる企画が予定されており、秋の行楽シーズンに向けて、更なる誘客促進・PRを図ってまいります。

 次に、歴史と文化の伝承についてです。
 7月2日、中津市歴史博物館は来館者10万人を達成しました。令和元年11月1日に開館し、市内観光、城下町回遊、そして歴史文化の継承の拠点としての役割を果たしています。

 次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
 7月29日から9月18日まで、歴史博物館において、特別展「福沢諭吉とお札に選ばれた偉人達」を開催しており、福澤先生をはじめ、渋沢栄一翁など、肖像となった偉人のゆかりの品々などを展示しています。
 また、8月6日には、特別企画として慶應義塾の伊藤公平塾長をお招きして講演会を開催し、約200名の参加がありました。講演の後に、「福澤諭吉の原点とこれから」をテーマに塾長と私が対談を行い、中津市と慶應義塾が改めて連携を深めていくことを確認しました。先に開催された第105回全国高等学校野球選手権記念大会では、慶應義塾高等学校が見事優勝し、早速、私からもお祝いを申し上げたところです。
 また、8月11日から13日まで、歴史博物館において、日本銀行大分支店、大分県金融広報委員会との共催で、夏休み特別企画「お札のヒミツ」を開催し、1,310名の方がお札について楽しく学びました。
 7月16日には、来年秋に開催予定のオール市民参加型のミュージカル「人誰か故郷を思わざらん~福澤諭吉翁物語~」のCAST発表会を開催し、オーディションを通過した75名のキャストが発表されました。
 この他にも、福澤先生が私財を投じて守った耶馬渓競秀峰の景観とそのエピソード、また、福澤旧居のイラストが描かれた「福澤諭吉ラベル」の耶馬溪源流水を発売しました。
 さらに、8月19日の「第41回耶馬溪湖畔祭り」では、ドローンを夜空に浮かべて福澤先生を描き出す「Nakatsuドローンショー」が中津青年会議所により実施されました。引き続き、様々な関係者の協力のもと、“オールなかつ”でプロジェクトを盛り上げます。

 次に、スポーツ振興についてです。
 7月23日、ダイハツ九州スポーツパーク大貞内のスケートボードエリアがグランドオープンしました。近隣では初となる据え置き型のセクションが設置され、市内外から多くの方に利用いただいています。
 8月4日からの3日間、「日韓親善水上スキー・ウェイクボード・ウェイクサーフィン選手権大会」が、4年ぶりに耶馬溪アクアパークで行われました。日韓両国のトッププレーヤーによる華麗でダイナミックなプレーが披露されたほか、日韓の交流も行われました。
 9月3日には、明治安田生命保険相互会社との共催で、大分トリニータスクールコーチによるサッカー教室を開催しました。この教室は、Jリーグのパートナーである明治安田生命と中津市が締結している包括連携協定により実現し、子どもたちがプロのコーチに技術を学ぶ大変貴重な機会となりました。
 また、今夏も野球、卓球、柔道、相撲など、個人・団体問わず多くの種目で全国大会出場を決めています。わんぱく相撲の小学生から、還暦野球大会のシニア世代まで幅広い世代が活躍しており、年齢を問わずスポーツを通じて中津が盛り上がることを期待します。

 次に、地域の拠点施設の整備についてです。
 7月28日、耶馬溪公民館の起工式を行いました。耶馬溪公民館は、生涯学習や地域コミュニティの拠点施設としての機能に加え、災害時の避難所として、防災機能を強化して整備します。公民館活動のさらなる充実と、安心、安全な地域づくりの一翼を担う施設となることを目指します。

 次に、あらゆる主体との連携についてです。
 6月21日に、連携協定を結んでいる神戸大学の教授をお招きし、今回は中津南高の全校生徒に向けて出前講義を実施しました。講義は、データサイエンスについて学び、社会で生きていく力や自身の進路について考えるきっかけとなるものでした。
 8月9日から11日にかけて、ソフトバンク株式会社と共同で、高校生を対象とした人材育成プログラム「CREATIVE CAMP 2023 in Nakatsu」を開催しました。全国初となった今回のプログラムでは、高校生が動画制作・編集スキルを学び、市の魅力を発信する動画を制作しました。人気動画クリエイターの講演や最新の技術にも触れ、生徒にとっては貴重な体験となり、素晴らしい動画が完成しました。
 今後も、若者の可能性を広げる機会を提供し、地域を愛しグローバルに活躍できる人材の育成に取り組んでまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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