中津市立中津市民病院糖尿病・内分泌内科糖尿病・内分泌内科の診療内容

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糖尿病・内分泌内科の診療内容

診療内容

糖尿病

 心臓の血管が詰まる「心筋梗塞」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳内出血・くも膜下出血」といった大血管障害によって、日本人の約17%が亡くなられています。糖尿病が怖いのは、血管の老朽化である動脈硬化を助長する病気であることであり、この動脈硬化こそが血管障害の原因となるのです。また、直接の死因とはならないまでも、失明となりうる網膜症、人工透析となりうる腎症、自律神経障害を引きおこす神経症、足の切断の原因となる閉塞性動脈硬化症などを合併することがあり、糖尿病合併症により日常生活が大きく制限されることがあります。糖尿病の治療目標は、血管を若く保つことにより血管障害を予防し、健康を長く維持することにあります。
 糖尿病は、血液中の糖が異常高値となる病気ですが、主に血糖を下げるホルモンであるインスリンが不足することによって発症します。インスリンは膵臓で作られるため、糖尿病は主として膵臓の病気ともいえます。本来、糖は生きていく上で重要な栄養素の一つです。適切な栄養バランスを基礎として、必要に応じて個人の体の特性や生活スタイルにあった薬を選択することにより、長期にわたって適正な血糖値にコントロールできれば少しも怖くない病気です。ただ、糖尿病は医師だけが頑張っても良くならない病気です。医師と患者さんとが、共通の理解のもとで協力しあってこそ、本当に良い状態を達成することができるのです。当院の入院では、糖尿病教室に参加していただくことにより糖尿病をより深く理解していただき、各種検査により体の状態を把握させていただくことにより、より適切な治療プランを提示させていただきたいと考えています。

甲状腺疾患

甲状腺は、甲状軟骨(のどぼとけ)の下で、首の前面の真ん中付近にある臓器です。甲状腺ホルモンを産生・貯蔵する臓器で、甲状腺ホルモンの工場と倉庫と考えていただければいいと思います。甲状腺ホルモンは、全身の諸臓器に作用し、代謝や各臓器の働きを活発にするホルモンです。


 甲状腺ホルモンが過剰となると、
  ①安静にしているのに心臓がドキドキする
  ②たくさん食べているのに痩せてくる
  ③汗をたくさんかくようになる
  といった症状がでます。
 甲状腺ホルモンが不足すると、
  ①体が重くだるく感じるようになる
  ②便秘をしやすくなる
  ③寒がりになる
  といった症状がでます。


首の前面がはれている場合は、バセドウ病や橋本病の可能性もありますが、甲状腺腫瘍の場合もあります。当院では、採血・甲状腺エコー・甲状腺シンチグラフィー・甲状腺穿刺吸引細胞診などの検査が可能であり、内科的治療を行っています。(放射線治療や手術治療が必要な場合は、他病院にご紹介させていただいております。)

副腎疾患

副腎は、腎臓の頭側に存在する扁平な三日月形の臓器で、長径は3~6cm程度の大きさです。コルチゾールやアルドステロンといった副腎皮質ホルモンや、アドレナリンやノルアドレナリンといった副腎髄質ホルモンを産生する臓器です。副腎皮質ホルモンは、いわゆる「ステロイド」のことであり、体内でステロイドを産生している臓器が副腎ということになります。副腎皮質ホルモンは、糖・蛋白質・脂質代謝を調節したり、ナトリウム・カリウムといった電解質や体液量を調節する働きをしています。また、副腎髄質ホルモンは、生体の緊急事態時に、血圧を上げたり、血糖を上げたりする働きをします。 副腎の病気には、副腎にできものができる「副腎腫瘍」や、副腎のホルモンが不足する「副腎不全」などがあります。副腎腫瘍は、大きさが3~4cmより大きいものは手術適応となることが多いですが、大きさが3cm以下でもホルモン異常を認める場合には、治療が必要となります。当院では、CT・MRI検査、ホルモン検査としての各種内分泌負荷試験、副腎シンチグラフィー、副腎静脈サンプリング検査などを行っています。副腎腫瘍で手術適応がある場合には、当院泌尿器科にて腹腔鏡下の手術をしています。

原発性アルドステロン症について

  高血圧症の約20人に1人は原発性アルドステロン症が原因ですが、
  この原発性アルドステロン症は手術で治る可能性が高い病気です。


Q1 原発性アルドステロン症ってどんな病気ですか?

  副腎で作られるアルドステロンというホルモンには血圧を上げる
 作用があります。原発性アルドステロン症は、副腎からアルドステ
 ロンが過剰に分泌されることにより高血圧症をきたす病気です。主
 に副腎にできた良性腫瘍が原因であり、手術により腫瘍を摘出する
 と高血圧も改善します。

Q2 原発性アルドステロン症はどうしたら診断できますか?


  安静にした状態で採血を行い、アルドステロンとレニン活性を測定します。原発性アルドステロン症で
 は、アルドステロンが高値となり、レニン活性が低値となるという特徴があります。
  採血結果で原発性アルドステロン症の可能性がある場合には、ホルモン負荷試験(検査薬を投与した
 状態で採血)やカテーテルを用いて副腎静脈から採血をすることにより、確定診断を行ないます。
  ※レニンは、腎臓で作られるアルドステロン産生を促進するホルモンです。


Q3 普通の高血圧症と比べて原発性アルドステロン症は悪いのですか?


  原発性アルドステロン症の患者さんは通常の高血圧患者さんと比べて、脳卒中が4.2倍、心筋梗塞が6.5
 倍、心房細動(不整脈)が12.1倍も高いと報告されており、通常の高血圧症より重篤な病気と考えられま
 す。


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