平成29年第1回定例市議会の行政報告

公開日 2017年02月22日

 平成29年第1回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、現在策定している各種計画についてです。総合計画については、今回新しい計画を策定するにあたり、素案策定段階から幅広い関係者が参加し意見が反映される計画づくりを行ってまいりました。そして、行政主導のまちづくりから住民と行政とが共有するまちづくりの基本指針となるよう、住民の皆様のご協力を頂きながら、パブリックコメント、審議会での答申を経て第五次総合計画案を策定いたしました。また、その政策実現のためには、安定した財政運営と強い行政基盤の確立が必要であり、将来の人口規模や財政状況にふさわしい行政サービスを継続的に提供するための第3期行財政改革5ヶ年計画や、すべての公共施設等を次の世代に健全な資産として引き継ぐ道標となる公共施設等総合管理計画については、3月中の策定に向けて本日よりパブリックコメントを開始することとしております。これらの計画は、「暮らし満足No.1のまち」を実現するためには欠かせないものです。住民の代表である議員の皆様方におかれましても、中津市を今以上に輝くまちとして次世代に繋げていくため、ぜひご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
 次に、高齢者福祉についてです。地域の中で、介護サービス等の利用がなく孤立しがちな高齢者に対し、訪問・面談等を実施し、見守り及び円滑なサービスの提供や社会参加につなげることを目的とした「孤立ゼロ訪問事業」を今年度より開始しております。12月までに500人以上の方を訪問し、支援が必要な方などについては見守りやサービスへとつないでおります。今後も、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、民生委員や高齢者相談支援センターと連携しながら取り組みを進めてまいります。
 次に、中津市の合計特殊出生率についてです。中津市は全国的にも高い水準を維持しておりますが、昨年12月に平成27年人口動態統計の確定数及び最新の出生率が公表され、中津市は前回の1.90からさらに上昇し1.94となりました。これは県内14市の中で最も高い数字であり、今後も、子どもを産み育てやすい環境づくりを総合的に進めることにより、合計特殊出生率2.0のまちを目指してまいります。
 次に、小児救急医療体制の変更についてです。今まで市民病院に小児科医師を派遣していただいておりました福岡大学から、4月より医師派遣が困難になったとの報告を受けたことにより、現状を続けることはもちろん、小児科の存続さえ危ぶまれる事態となりました。この厳しい状況を乗り切るため、関係部署の総力を挙げて対応し、また、大分県と連携し新たに大分大学にお願いを重ねた結果、なんとか5名の小児科医師を確保することができました。しかしながら5名では市民病院における二次救急の対応で精一杯であり、全国的に医師不足が深刻な状況にある中、持続的で安定的な小児救急医療体制を維持していくために、小児救急センターを市民病院から分離したうえで機能分担を行い、夜間の受付時間についても短縮することといたしました。この変更の事情と新しい体制につきましては、市民へしっかりお知らせしてまいりますが、今後も医療従事者の確保に引き続き取り組むほか、予防事業の充実にも努めてまいります。
 次に、子ども・子育て支援についてです。12月24日から1月7日までの8日間、冬休み限定の放課後児童クラブを実施いたしました。この長期休業限定放課後児童クラブの事業は、平成27年度の冬休みから開始しておりますが、今回初めて市役所の庁舎内で行いました。外遊び場が近くにあり、また市民駐車場等を活用することで送迎時の問題が起こりにくく、さらには庁舎内にあることで職員が迅速に対応できるなど、利用された児童の保護者には大変好評でした。中津市では今後も子育て支援の充実を図り、一歩進んだ子育て環境を目指してまいりたいと思います。
 また、12月19日に中津市役所において、教育・保育部門合同で幼児教育振興プログラムに関する研修会「『あそびのススメ』のススメ」を開催いたしました。この研修会は「人」づくりの視点で、公立・私立を問わず市内の幼児教育に携わる実務者を集めて初めて行われたものであり、西南学院大学の門田教授を講師に迎え、幼児教育を重視する根拠、乳幼児教育が地域社会や経済にもたらす効果や行政の果たす役割などについてお話していただきました。
 次に、企業誘致の推進についてです。11月15日に大分県庁において、有限会社美健コーポレーションの立地表明が行われました。今回は大新田北第2工区の用地、約2,800平方メートルを購入しての増設であり、設備投資額は約2億5千万円、増設に伴う新規雇用者数は4名となっています。また11月24日に市役所において、アシアントレーディング株式会社の立地表明を行いました。中国、タイ、韓国を中心とした自動車部品及び付属品の製造を行っている会社であり、今回、事業拡大のため中津市三光において九州工場を設立いたしました。今回の設立に伴う新規雇用者数は20名となっております。さらに1月26日に大分県庁において、株式会社ヨロズ大分の立地表明が行われました。今回の増設に伴う設備投資額は約28億円で、新規雇用者数は60名程度を予定しています。その他、九州富士機工株式会社から増設に伴う立地表明書の提出がありました。設備投資額は約5億円、新規雇用者数は48名となっています。このように、中津市に新たな企業が進出してくる、あるいは進出企業が規模拡大を行うことは、雇用の創出や設備投資による経済波及効果など地域経済の活性化に繋がるものであり、今後も、大分県と連携して積極的に誘致活動に努めてまいります。
 次に、観光の振興についてです。中津耶馬渓観光協会では、中津市が誇る様々な観光資源、そして「中津らしさ」を持つ商品を磨き上げ、つなぎ合わせ、発信していくことにより、観光を産業に進化させることを目的として、11月28日に一般社団法人化いたしました。今後も、市内の多様な産業と連携し、「見る観光」だけでなく需要の高まっている「体験型観光」や「宿泊観光」にも積極的に取り組み、山国川の上流から下流域まで一体となった観光振興を推進してまいります。
 そして、メイプル耶馬サイクリングロードや耶馬渓観光の活性化に向けて、1月13日には北九州市立大学の学生を、また1月14日からは1泊2日でAPUの留学生を耶馬渓に招き、モニターツアーを開催いたしました。若い世代の声を観光振興に活かすため、参加者からは体験や地元との交流を通して感じた魅力や課題など貴重なご意見を頂きました。再来年2019年は、江戸時代の詩人である頼山陽が山国谷を「耶馬渓」と命名して200年目にあたる年であり、この記念の年に向け、耶馬渓観光のさらなる推進を図ってまいります。
 また、メイプル耶馬サイクリングロードをアジアへ発信するため、大分県の岡本観光・地域局長、草野市議会議長と一緒に台湾台中市を訪問し、2月9日に中津市と台中市との「サイクルツーリズム及び観光友好交流促進に関する協定」を締結いたしました。世界的なサイクリング先進地であり、また同じ鉄道廃線跡を利用した自転車道を持つ台中市との官民一体となった交流を進め、双方の観光ブランド力の向上及びインバウンド観光の発展を目指してまいります。
 次に、平成26年4月にオープンしました「道の駅なかつ」についてです。施設内のJAおおいた直売所オアシス春夏秋冬のレジ通過者が昨年12月に150万人を突破いたしました。東九州道の県内全線開通等、交通環境の変化はありますが、関係する多くの皆様のご支援、ご協力により、来場者・売上高ともに県内トップの道の駅として運営することが出来ております。オープンから3年が経過しますが、市内への経済効果や農業者の生産意欲の向上等、様々な相乗効果も生まれており、今後も集客対策に努めてまいります。
 次に、高付加価値化の取り組みについてです。平成27年度から中津産六次産業商品のブランド構築として認証を始めた、「なかつ六次産業推奨品(なかつファイブスターストーリー)」に今年度新たに4商品が追加され、これまで計4事業者、6商品を「なかつブランド」として認証しました。認証された推奨品は、積極的にトップセールスし、大手百貨店の年末商材として取り上げられる商品も生まれるなど、ブランド認証として徐々に成果がみられております。今後も地域資源の付加価値を高める取り組みを進めてまいります。
 また、中津干潟産ブランド牡蠣「ひがた美人」についてですが、12月17日に大分県漁業協同組合中津支店において出荷式が開催され、ふるさと納税の返礼品として全国へ向けて発送が開始されました。そして1月からは、首都圏のオイスターバーや郵便局のふるさと小包、また香港への出荷が本格的に始まっております。しかしながら、安定した経営体制を構築していくためには、生産から販売に至る各段階においてクリアしなければならない課題も多くあります。引き続き、国内外への販売促進活動を行っていくとともに、地元でも愛されるブランドとしての取り組みも進めてまいります。
 次に、スポーツの振興についてです。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、マレーシアを相手国として大分県と共同申請していた第3次ホストタウンに、12月9日に登録されました。また、ラグビーワールドカップ2019の公認キャンプ地誘致では、12月14日にキャンプ地登録の申請を行いました。今年の夏頃には、公認チームキャンプ候補地が決定することとなります。いずれの誘致においても、中津市を世界に発信するまたとない機会と捉えており、またキャンプ地誘致を通じ地域の活性化やスポーツの振興を図れることから、今後も積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、公共交通についてです。公共交通網の維持を図るため、超低床小型バスを3台購入してバス事業者へ無償で貸与し、2月1日から路線バスとして運行しております。今回、九州で初めて国の制度を活用した「公有民営方式」の導入により、バス会社の負担を減らすことで赤字となっているバス路線を維持していくことに加え、車両のバリアフリー化により高齢者等の安全性・利便性を向上させるものです。今後も、高齢者等の交通弱者が安全・安心で快適な生活を送れるよう、地域公共交通サービスの充実に取り組んでまいります。
 次に、自治体間の連携についてです。昨年12月、「大学等による『おおいた創生』推進協議会」に参画するとともに、県内の大学と地方創生の推進に関する協定を締結いたしました。この協議会では、県内大学をはじめ、県内の自治体や企業、NPO・民間団体等と協働し、地域で活躍できる若い人材の育成や、大学を核とした地域産業の活性化等に取り組むことで、地域内における雇用創出や学卒者の地元定着率向上を目指すこととしています。
 また、2月6日に中津市役所において、九州周防灘地域定住自立圏を形成している圏域の首長が集まり、懇談会を開催いたしました。現在、圏域4市2町共通の地域課題解決のため、生活機能やネットワークの強化を掲げ様々な施策で連携しているところであり、今回の懇談会でも現在圏域で抱えている課題について意見交換いたしました。今後もこの結びつきを維持していくとともに、今後新たに生じる課題に対しても圏域全体の課題と捉え、積極的に連携して圏域全体の発展に努めたいと考えております。
 以上をもちまして、諸般の行政報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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