平成30年第2回定例市議会の行政報告

公開日 2018年06月01日

 平成30年第2回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、4月11日未明に耶馬溪町金吉地区で山地崩壊による大規模な土砂災害が発生いたしました。6名もの尊い命が失われ、住宅も4棟が全壊するという大きな被害を受けました。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様にも心よりお見舞い申し上げます。
 市では、災害発生直後から災害対策本部を設置し、安否不明者の救出を最優先に活動いたしました。急峻な現場には大量の土砂や大きな岩石があり、二次災害の危険性から捜索が難航し、安否不明者全員が発見されるまでに12日間を要しました。長期間にわたり現場で捜索いただきました、自衛隊、警察、消防、建設業協会、国、県、民間団体、大学の専門家の皆様、また、炊き出しなど様々なご支援をいただきました多くの皆様に対しまして、この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。
 これまで市では、被災された方々や避難されている方々への支援として、各種手続き等の巡回説明や、耶馬溪支所でのワンストップ相談窓口の設置、避難所への保健師の派遣、学校へのカウンセラーの派遣などを実施してまいりました。
 また、今回の災害は降雨などがほとんどない中で発生しており、「極めて稀な現象」と言われております。今後の対策のためにも崩壊原因の早期解明が非常に大切であり、専門家による原因究明等について、国に強く要望いたしました。
 現場の復旧につきましては、県が応急対策工事を進めており、その後本格的な復旧工事を行いますが、市としましても「中津市被災者支援・復旧計画」に基づき、県をはじめとする関係機関と連携しながら、被災された皆様方への支援と現場の復旧・復興対策に、全力で取り組んでまいります。
 さらに防災対策としまして、市報や市のケーブルテレビにて防災情報や避難に役立つ知識をお知らせいたしました。また、自分が住んでいる地域の特性を知っていただくため、市内の土砂災害危険箇所情報を示したマップを地域毎に作成し、既に作成済み箇所の土砂災害ハザードマップと併せて住民の皆様への周知を図りました。土砂災害ハザードマップにつきましては、既に作成済みの箇所を含めた全1,012箇所分について、従来のものより内容を充実させた新しいマップを速やかに作成し、市民の皆様に配布できるよう作業を進めてまいります。
 次に、高齢者福祉についてです。地域包括ケアシステムの深化・推進を目指すための方針などを定めた「中津市第7期介護保険事業計画及び高齢者福祉計画」を3月に策定いたしました。また4月より、医療と介護の連携に関する支援を担う機関として、中津市医師会に中津市在宅医療・介護連携支援センターを、5か所の地域包括支援センターにサブセンターをそれぞれ設置するなど、高齢者が住み慣れた場所で自分らしく過ごせるよう、取り組みを進めております。
 次に、地域福祉についてです。4月17日、耶馬溪町に多機能型地域生活拠点「まーちゃん家」が開所されました。この施設では、中津南高等学校耶馬溪校の生徒が、年間を通じた教育課程としてサロンの企画・運営や活動に参加するという県内でも先駆的な取り組みが実施されます。
 次に、子ども子育て支援についてです。4月14日に、ダイハツ九州スポーツパーク大貞内に、大型複合遊具広場「なかつ・わくわくふれあい広場」がオープンいたしました。整備にあたっては小学生や子育て世代の声を取り入れており、多くの親子連れの集いの場となっております。
 また、「中津市乳幼児教育振興プログラム『あそびのすすめ』」を3月に策定し、「遊び」を大切にした乳幼児教育を進めております。今後は「遊びの重要性」への理解の深化と保育士・教員等の専門性の向上を図るため、大学から講師をお招きしての講演会や官民一体での合同研修会などを予定しており、中津市の子どもたちの豊かな成長に役立ててまいります。
 次に、企業立地についてです。4月に大分県庁にて、株式会社KOTANIの立地表明が行われ、増設による設備投資額は約4億円、新規雇用者数は30名となっております。また、中津倉庫株式会社からも増設に伴う立地表明があり、設備投資額は約1億円、新規雇用者数は1名となっております。引き続き大分県と連携し、誘致活動に努めてまいります。
 次に、起業・創業支援についてです。昨年度より取り組んでいる中山間地域創業支援事業及び商店街空き店舗活用事業により、合わせて4件の創業がありました。今年度は女性起業家への支援も新たに行うなど、起業・創業に関する支援を充実させてまいります。
 次に、農政振興の取り組みについてです。「なかつ6次産業推奨品(なかつファイブスターストーリー)」に「山椿あま酒(紅)」、「マルゲン弦本葱油」、「川谷園のお茶」の3商品が追加され、これにより「なかつブランド」の認証は、計7事業者、13商品となりました。既に認証された推奨品は、関東方面への販売も開始されるなど成果がみられております。
 また、下郷農業協同組合が、新商品「飲むヨーグルトS-1」の製造販売を開始いたしました。国の事業を活用し建設した施設にて、こだわりの素材で製造した新たな下郷ブランドの商品です。このような特色のある取り組みを後押しし、生産者の所得向上や雇用の創出に繋げてまいります。
 次に、観光振興についてです。市民の皆様に、「メイプル耶馬サイクリングロード」の素晴らしさを知っていただくために、3月25日に「サイクリングdeやばけい遊覧」を開催いたしました。当日は約50名の市民にご参加いただき、サイクリングを楽しみながら、観光資源の魅力に触れていただきました。
 また、別府市で開催された世界温泉地サミットに合わせて、5月27日に「ONSEN・ガストロノミーウォーキングinやばけい遊覧」を観光協会の主催により実施いたしました。このイベントは、日本遺産「やばけい遊覧」の構成文化財である「青の洞門」「羅漢寺」を巡るコースを歩きながら、「からあげ」など地元食を通じて地域の魅力を堪能し、さらに、温泉も楽しんでいただく内容で、全日空の社長をはじめ、参加された国内外200名以上の方々に、中津市をPRいたしました。
 さらに、2年目となる日本遺産「やばけい遊覧」につきましては、多くの人々の参加と結集による活動が拡がりをみせております。3月1日には中津市と玖珠町の人々が集い、やばけいの未来を語る『「やばけい」みらいスタートアップ会議』の第1回目を実施し、学生から年配の方まで幅広い年齢層が自由で活発な意見交換を行いました。このほか、「やばけい遊覧」の魅力を世界に発信するために、インスタグラムのアカウントを開設し、プロの講師をお招きしてのセミナーも実施いたしました。今年度は「耶馬渓」命名から200年目にあたる年でもあり、今回の土砂災害の風評被害対策も含め、中津・耶馬渓観光の推進にさらに力を入れてまいります。
 次に、文化・芸術の振興についてです。「第33回国民文化祭・おおいた2018」、「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」の開催まで、あと4か月となりました。中津市は「水の森エリア」として、現代アートや伝統芸能など、多くの市民が参加し楽しんでいただけるような芸術文化イベントの準備を進めております。
 次に、教育についてです。3月25日に、144年間地域に親しまれておりました山移小学校の閉校記念式典が、地域住民や卒業生など約250名が参加し執り行われました。また3月30日には、市長と教育委員会の両者が「中津市総合教育会議」を開催し、「学びたい教育のまちづくり」や「国民文化祭・障害者芸術文化祭」など、中津市の教育について幅広く議論いたしました。今後も、教育委員会と十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、子どもの将来を見据えた教育行政を推進してまいります。
 次に、産業教育の推進についてです。3月13日、中津東高等学校にて「中津市企業説明会in中津東高」を開催いたしました。生徒たちの地元企業への理解促進と地域での就職促進を図るために実施したもので、アンケートでは、約9割の生徒から「今後の進路選択にプラスになった」との回答を得ました。
 次に、図書館の利用推進についてです。4月23日に小幡記念図書館が「平成30年度子供の読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰を受賞いたしました。これは、読み聞かせボランティアとの連携による県内初の「あかちゃんタイム」の取り組みや、学校司書との連携など、子どもの読書推進に関する様々な取り組みが評価されたものです。
 次に、自治体間の連携についてです。3月22日、九州周防灘地域定住自立圏のビジョン懇談会を開催し、各地域の課題や今後の取り組みなどについて話し合いました。今後も、中心市として市町村や県の枠組みを超えた取り組みを積極的に進め、圏域全体の発展に努めてまいります。
 最後に、中津の力の結集についてです。5月19日に東京で開催された「在京中津会」に議長と共に参加し、日本遺産に認定された耶馬渓のPRや地域産品の販売、ふるさと納税への協力依頼などを行いました。今後も中津市出身者など関係者との連携を深め、機会ある毎に中津市の情報発信に努めてまいります。
 以上をもちまして、報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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