平成30年第3回定例市議会の行政報告

公開日 2018年09月03日

 平成30年第3回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。 まず、渇水への対応についてです。梅雨明け以降、雨の少ない天候が続き、耶馬溪ダムの貯水量が低下したことを受け、8月30日に開催された山国川中下流域水利用連絡協議会にて、取水制限を行うことが決定されました。また、同日付けで市に渇水対策本部を設置し、今後の対応を確認しました。市民の皆様にはご不便をおかけしますが、引き続き節水にご協力をお願いいたします。
 次に、自然災害への対応についてです。4月に発生しました耶馬溪町金吉地区山地崩壊災害の復旧について、県による仮復旧工事が6月3日に完了し、本工事に向けての調査を経て9月より本格工事が実施されます。また、災害発生の原因究明については、引き続き国・県を中心に行われており、解明結果を受け対応策の検討・整備を推進してまいります。なお、この耶馬溪町金吉地区及び平成24年の豪雨災害で被災した本耶馬渓町青地区に加え、整備が進められている中津日田道路について、8月29日に石井国土交通大臣が現地を視察されました。災害復旧や地方に必要なインフラの実情について、大臣に直接説明し、支援を依頼したところです。
 6月に発生しました大阪府北部の地震でブロック塀が倒壊し尊い命が犠牲となったことを受け、学校や公共施設の緊急点検を実施し、危険と判断されたブロック塀を直ちに撤去・改修いたしました。改善が必要な箇所についても現在整備を進めているほか、危険ブロック塀の撤去費用補助制度を設け対応しております。
 平成30年7月豪雨災害では、中津市においては、山国川河口への土砂の流入や一部地域で床下浸水等の住家被害が生じたものの、幸い人的被害はありませんでした。これは、迅速な避難行動など市民の皆様の「自助・共助」の行動があってのことだと考えております。しかし近年では、異常気象等の影響により、広島県や岡山県などで見られたような大きな災害が多発しております。災害を未然に防ぐため、あるいは被害を少しでも減らすため、市も、休日の職員参集訓練や防災士協議会の設立、市民がまちの様々な問題を簡単に投稿できるアプリの試験運用など、防災・減災への取組を進めているところであり、今後も可能な限りの備えに努めてまいります。
 次に、8月12日に発生しました西谷温泉宿泊施設の火災についてです。午後10時ごろ、茅葺屋根の宿泊棟より出火し、約1時間半後に鎮圧しましたが、宿泊棟4棟が全焼しました。当日は約100名の施設利用者がおりましたが、幸い全員避難し無事でした。市の公共施設でこのような火災が発生したことは誠に遺憾であり、指定管理者である有限会社西谷温泉とともに再発防止に努めてまいります。
 次に、医療と介護の連携についてです。市民病院では、緩和ケアの更なる充実のため、8月1日付けで武末文男氏を緩和ケアセンター長に採用いたしました。同氏は、厚生労働省や地方自治体において地域包括ケアシステムの企画立案に長年携わってきた知識と経験を有しており、「地域包括ケア推進審議監」の職も併任します。今後は、中津市の実情にあった最適な地域包括ケアシステムの構築に向け、医療・介護・地域・行政などあらゆる主体の連携を推進します。
 次に、地域福祉についてです。住民同士の支え合いの仕組みである住民型有償サービスが南部校区と三光地区に発足し、これで現在9か所のサービスが活動中となりました。今後も、サービスの立ち上げや運営のサポートを行い、市内全域へ拡大を図ります。 次に、女性の活躍促進についてです。6月30日に、男女共同参画週間に合わせて「女性が安心して輝ける社会をめざして」と題した記念講演会を開催いたしました。市では、このような啓発活動に加え、今年度より女性起業家への支援も新たに始めたほか、私自身も機会あるごとに「女性が働きやすい職場づくり」について、経営者の皆様に協力を依頼しているところです。
 次に企業立地についてです。7月12日に大分県庁において、名古屋東部陸運株式会社の立地表明が行われました。物流倉庫を増設し、本年12月の操業開始予定です。設備投資額は3億円、新規雇用者数は5名となっております。また、中津に工場を立地して半世紀を迎えたTOTOグループであるTOTOファインセラミックス株式会社も、更なる増産体制を整えるため、新たに成形棟を増設します。操業開始予定は来年10月で、設備投資額は13億円、新規雇用者数は35名となっております。引き続き大分県と連携し、誘致活動に努めてまいります。
 次に、地場産業の人材確保についてです。少子高齢化や都市部への人口流出などにより大きな課題となっている有資格者不足を解決するために、7月10日に「中津市人材バンク」を開設いたしました。有資格者に特化した事業は県内初であり、今後は委託先である中津商工会議所、ハローワーク中津と連携しながら雇用のマッチングを図ってまいります。
 また、8月11日には、ダイハツ九州アリーナにおいて「中津市企業合同就職面接会」を開催いたしました。今後も、地元企業のニーズに応じた支援に努め、中小企業の活性化と地域雇用の安定につなげてまいります。
 次に、観光振興についてです。4月に発生した耶馬溪町金吉地区山地崩壊災害による風評被害対策として、夏休み時期にかけて福岡エリアを中心としたPRを行いました。7月21日と22日には博多駅前にて観光・物産イベントを、8月1日から21日にかけては福岡市営地下鉄の車両を貸しきった「地下鉄ジャック広告」を展開したほか、福岡都市圏のフリーペーパーにも広告掲載を行いました。また、中津耶馬渓観光協会による「やばけい遊覧観光ツアー」や中津市しもげ商工会によるクーポン券「やばけい得々券」の配布など、関係団体とも協働し、「元気な中津、耶馬渓」をPRしております。
 また、7月から8月にかけて、中津祇園、寺町とうろう祭り、やまくにGenryu夏まつり、耶馬溪湖畔祭り、禅海くんのミニ縁日、鶴市花傘鉾祭など、市内各所で多くのお祭りや地域イベントが開催され、多くの人でにぎわいました。こうした地域のイベントに、より多くの市民に参加いただけるよう、本年も無料送迎バスを一部イベントで運行いたしました。今後も、山国川上下流域の相互交流と一体感の醸成を図り、地域伝統文化の継承、にぎわいや元気づくりを市民と一緒に進めてまいります。
 次に、スポーツ振興についてです。7月2日に大分県庁にて、マレーシア代表チームの2020年東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプに関する覚書を締結いたしました。市内に本社のある「ダイハツ九州株式会社」のグループ会社の工場がマレーシアにあり、その縁からこれまで2度視察団にお越しいただき、施設の説明等を行ってまいりました。この覚書締結を契機に、参加競技の事前キャンプ誘致を加速させてまいります。
 次に、文化・芸術の振興についてです。「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」の開会がいよいよ来月に迫り、着々と準備を進めております。リーディング事業である「なかつ水灯り2018」は、中心市街地と耶馬溪地域で展開するアートプロジェクトで、昼間は中心市街地に点在する会場でまちなかアートを、夜はアーティスト髙橋匡太氏によるライティングプロジェクトをお楽しみいただきます。市民参加型の光のプロジェクト「Moon River」の核となるボトルメールは、市内の子どもたちが「みらいのともだち」に宛てて書いた手紙が入ったもので、現在、市内すべての小学校において、ワークショップを開催しております。10月6日から約2か月間、商店街に幻想的な光の川が浮かび上がりますので、是非ご期待ください。
 次に、「学びたい教育のまち中津」の新たな拠点についてです。かつて日本一の英学校と言われた中津市学校を、平成の次の新たな時代の学びの拠点として復活させるべく、旧歴史民俗資料館の改修を進めています。現在、慶應義塾と新施設の開設準備委員会を立ち上げ、福澤研究における相互連携、「学問のすゝめ」の精神に基づく学習の場づくり、福澤研究センター所蔵資料の一部保管など、運営についての協議を行っているところです。市民が気軽に集い、学び、交流できる施設とすることで、すべての世代の人材育成につなげてまいります。
 次に、子どもの学力についてです。今年度の全国学力・学習状況調査では、小学生は県平均にはあと1ポイント足りなかったものの全国平均を上回り、課題であった活用問題においても全国平均を上回りましたが、中学生については平均を下回り課題が残る結果でした。学力向上に必要な教員の授業力の向上を図るために、授業改善に取り組む一方で、お盆の学校閉校や部活動休養日等の設定など、学校における働き方改革にも取り組んでおります。
 また、7月8日には市内全中学校で統一公開日を実施いたしました。保護者や地域の方が参加しやすいよう休日に開催し、授業参観のほか、教育委員や教職員との懇談の場を設けるなど、課題や目指すべき姿等について共有いたしました。
 次に、児童クラブの運営についてです。市内のクラブ関係者が相互連携・協力をし、クラブの発展を図る目的で、「中津市放課後児童クラブ連絡協議会」が発足しました。また、夏休み期間には市直営の児童クラブを運営し、延べ124名の児童を受け入れました。今後も、通年での待機児童ゼロ、一歩進んだ子育て環境のまちづくりを進めてまいります。
 次に、友好都市との交流についてです。7月28日と29日の2日間、太宰府市のジュニアリーダーズクラブのメンバーが、中津市内で耶馬溪ジュニアボランティアリーダーとの宿泊交流研修を行いました。また、同時期に開催された「中津祇園」では、太宰府市の紹介ブースの設置や、観光パンフレットの配布など、友好都市のPR活動を行いました。
 最後に、まちづくりへの市民参加の推進についてです。市内では、市民グループやNPO法人などによる、地域への貢献活動が活発に行われています。活動内容も防災、福祉、観光、教育、環境保全など様々な分野に広がっており、中津市の元気を生み出すエンジンとして、重要な役割を担っています。こうした市民参加の取組がさらに発展・拡大していくよう、市も全力で支援してまいります。
 以上をもちまして、報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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