平成30年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2018年11月26日

 平成30年第4回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、4月に発生した耶馬溪町金吉地区山地崩壊災害についてです。現在、原因究明に向けて、県が設置した検討委員会などによる調査が引き続き行われており、災害発生のメカニズムの分析が進んでおります。復旧についても、県による工事が順調に進行しており、避難勧告を継続している5世帯13名について、工事による安全が確保出来た時点で勧告の解除を検討していきたいと考えております。また、土砂災害警戒区域内にお住まいの方々に、土砂災害の危険性を知ってもらうとともに適切な避難行動をとっていただくため、土砂災害ハザードマップ作りを進めております。マップ作成に当たっては、地域ごとにワークショップを開催し、住民と行政が一緒になって安全な避難場所・避難ルートを検討するなど、地域の実情を踏まえたものとなるよう取り組んでおります。
 次に、医療や健康に関する啓発についてです。10月28日に、今年で3回目となる中津市民病院による市民公開講座を開催しました。今回は心臓病をテーマに、現場で医療に従事している医師の講演やパネルディスカッションを行い、多くの市民に改めて医療について考えていただくきっかけになったと考えております。また、11月18日には「ロコモティブシンドローム」をテーマに「中津市健康づくり推進大会」も開催しました。今後も、誰もが安心していきいきと暮らせるまちを目指して、医療や健康に関する意識向上の取組を市民と共に地道に進めてまいります。
 次に、子育て環境の充実についてです。以前より子育て世帯からの要望が多かった病児保育について、関係機関との協議・検討を続けてきたところですが、来年度より施設を設置できることとなり、現在準備を進めております。子ども医療費の助成拡充とあわせ、きめ細やかな子育てサービスを目指す「子育て2.0のまちづくり」の進展につながると期待しております。
 次に、障がい者福祉についてです。障がい者の一般就労を支援するため、11月16日に、「中津障害者就職面接会」をハローワーク中津と共催で開催しました。当日は中津市役所をはじめ、17社の事業所がブースを構え、50名の求職者が来場しました。今後も、障がい者の社会参加の機会の充実を図るなど、障がいの有無に関わらず暮らしやすい地域社会の実現を目指してまいります。
 次に、地域コミュニティの維持についてです。高齢者だけの世帯が半数を占める山国地域の買い物支援の強化として、11月5日より移動販売事業を開始しました。「みんなのお店やまくに」での販売に加え、移動販売車2台で週2回山国町全域を巡回します。生活機能の確保のみならず、販売員と住民同士のふれあいを通じて、コミュニティの再生も期待しているところです。
 次に、住環境の整備についてです。平成27年度より建替を進めておりました市営三沢住宅が10月に完成しました。バリアフリー化に対応し、幅広い年齢層の方々に快適に生活していただける住空間となっております。今後も、適正な整備・管理を行い、安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
 次に、企業立地についてです。8月に株式会社桜瀬運輸からトラック停留場の増設に関して、10月には製材業を営む株式会社嶋屋からJAS認定に必要な高品質の人工乾燥材を製造するための設備導入に関して、それぞれ地場企業からの立地表明がありました。前者の設備投資額は4,000万円、後者は9,000万円で、新規雇用者はそれぞれ1名ずつとなっております。今後とも、進出企業・地場企業の隔てなく、この中津の地で頑張ってくださる企業を支援してまいります。
 次に、平成26年4月にオープンしました「道の駅なかつ」についてです。施設内のJAおおいた直売所のレジ通過者が10月に250万名に到達しました。来場者・売上高ともに県内トップであり、九州・山口の道の駅ランキングでも毎年上位にランクインするなど高く評価されております。市内への経済効果や農業者の生産意欲の向上につながっており、今後も多くの方が利用しやすい施設となるよう、管理運営を行ってまいります。
 次に、高付加価値化の取組についてです。「なかつ6次産業推奨品(なかつファイブスターストーリー)」に「下郷農協の飲むヨーグルトS-1」、「耶馬溪寒ざらしあられ・かき餅」、「吾一の黒豚豚飯の素と黒豚加工品」の4商品が追加され、これにより「なかつブランド」の認証は、計10事業者17商品となりました。認証された品は、地元商店での販売のほか、関東方面をはじめ地域外への販路拡大を進めております。
 次に、連携と結集による観光振興についてです。秋の行楽シーズンを迎え、「三光コスモス祭り」や「やまくにかかしワールド」、「耶馬溪観光秋祭り」、「耶馬溪誕生200年記念祭」、「竹の千灯籠夜」、「中津駅元気まつり」など市内各所で様々なイベントが地域をあげて行われ、市内外から多くの方が訪れました。 観光資源の魅力を向上させ、さらなる誘客を図るため、9月10日から14日の5日間で、大分大学経済学部の学生らと深耶馬商店会、行政などが協同で取り組む「地域づくり研修会」を実施しました。観光地「深耶馬溪」の現状、課題、展望など、学生ならではの視点による提案があり、今後も産学官の継続的な取組としていくことを確認しました。 11月8日から10日にかけては、市、市議会、中津商工会議所、中津市工業連合会、中津市しもげ商工会、観光協会で構成した訪問団総勢41名で、観光友好交流の協定を締結している台湾の台中市を訪問しました。「台中フローラ世界博覧会」の視察とあわせて台中市政府を表敬訪問したほか、「日本台湾交流協会」との意見交換などにおいて、インバウンド推進に向けた中津市の情報発信を行いました。 また、子ども観光ガイドを目指して活動を行う「中津少年少女ふるさとクラブ」が南部校区を拠点に結成され、南部小学校の5、6年生4名が、中津城や城下町について学んでおります。このクラブ活動を通して、郷土に誇りを持ち、その良さを発信できる力を養うほか、来年秋に開館予定の新しい歴史博物館にその活動の場を拡げる予定です。今後も、中津市がもつ観光資源のポテンシャルの顕在化を目指した取組を進めてまいります。
 次に、文化・芸術の振興についてです。10月6日から51日間にわたり開催された「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」が昨日閉幕しました。期間中、メイン事業の「なかつ水灯り2018」では、「ムーンリバー」をはじめとする企画展のワークショップに、多数の市民に参加いただいたほか、「まちなかアートプロジェクト」や「中津市ふれあいコンサート」では、障がいがある方々の作品展示やパフォーマンスを見に多くの観客が訪れ、大変好評でした。分野別事業では「九州人形芝居フェスティバル」「小倉百人一首競技かるた全国大会」「ミュージカル山国川奇譚鶴市愛歌」に、市内のみならず全国からも多くの方に足を運んでいただき、市の魅力を発信する機会にもなりました。「おおいた大茶会」のテーマのとおり、年齢や性別、障がいの有無に関わらず多くの皆様が参加し、表現し、そして感動した大会になったと思っております。改めて中津の持つ文化力の高さを実感するとともに、これを契機に中津の文化・芸術の振興につながっていくことを期待しております。
 次に、スポーツ振興についてです。東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるマレーシア代表チームの事前キャンプに関する覚書を7月に締結したことにより、早速9月2日から7日までマレーシア代表パラバドミントンチームが、ダイハツ九州アリーナで事前キャンプを実施しました。滞在中、日本代表強化選手や県内の選手とトレーニングを行ったほか、大幡小学校の6年生と「ふれあい交流事業」も実施していただきました。さらに、11月11日には、今年で7年目となるオリンピックデーラン中津大会に、市内外から879名の方々の参加がありました。ラグビーワールドカップやオリンピックなどの世界的スポーツイベントに向け、スポーツに親しむ環境づくりに取り組んでまいります。
 次に、教育のまちづくりについてです。10月16日に、山口小学校で、2018大分県NIE(Newspaper in education)セミナーが行われ、当日は3年生の国語、4年生の道徳、6年生の国語で新聞を教材とした授業を行いました。生活に身近な新聞記事を教材として用いることで、子どもたちが真剣に課題と向き合うなど学習態度に変化が現れており、豊陽中学校では、授業以外の補充学習の時間などにも新聞を活用しております。 また、グローバル人材の育成として、10月27日に、市内中学生が立命館アジア太平洋大学の学園祭に参加しました。大学生から母国について紹介してもらい、それに対し中学生が英語で質問するという交流活動などを行い、一緒に参加した市のALTも含めると1日で10か国もの他国の文化に触れることができ、充実した経験の場となりました。今後も多くの子どもたちに、生きた英語体験や国際理解の機会を提供し、子どもたちの可能性を拡げる教育を進めてまいります。
 次に、図書館の利用推進についてです。支所管内の図書館利用のきっかけづくりとして、秋の読書週間や観光シーズンに合わせ、紅葉の「やばけい遊覧」とコラボレーションさせて市内5館の図書館をめぐるシールラリーを10月27日から約1か月間実施しております。また、11月28日には、読書・芸術の秋にちなみ、館内で演奏会を開催し、音楽に合わせた読み語りや紙人形劇を行う予定です。
 次に、環境共生都市なかつの推進についてです。10月21日にダイハツ九州アリーナにて、ごみ減量とリユースの意識向上の目的で「~ワクワク夢市場~リユース!フリーマーケット」を開催し、96店舗、約3,500名が来場しました。会場では環境にやさしい商品の展示や小型家電の回収も行い、市民への啓発に努めました。 また、名勝耶馬溪美化活動推進協議会の呼びかけにより地域一体で実施されている「耶馬溪地域一斉美化活動」やNPO法人水辺に遊ぶ会による「ビーチクリーン活動」のように、市民による「きれいなまちづくり活動」が各所でみられております。このような活動が継続・拡大するよう、市も「中津市きれまち隊サポート事業」として支援をはじめました。
 次に、公共交通についてです。10月1日から、通常のバス停以外の場所でも乗り降りができるフリー乗降制を、コミュニティバス三保線に導入しました。これにより一部区間を除き自宅から近い場所で乗り降りが可能となり、利便性が増すとともに利用者の増加も期待されます。今後も、地域や利用者の声を聞きながら地域公共交通サービスに取り組んでまいります。
 最後に、第5次中津市総合計画について、10月24日に、フォローアップ会を開催しました。外部委員にご参加いただき、総合計画及び地方創生総合戦略の各施策の進捗状況の報告や、社会情勢や市民ニーズに沿った実効性のある計画となるよう本文の見直しについても提案し、多くの意見をいただきました。「暮らし満足ナンバー1」の実現に向け、「安心づくり」「元気づくり」「未来づくり」に係る様々な施策を効果的に実行してまいります。
 以上をもちまして、報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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