令和2年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2020年12月01日

 令和2年第4回定例市議会の開会にあたりまして、諸般の行政報告等を行います。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 新規感染者は、全国的にみると10月以降、徐々に増加傾向が顕著になり、現状は、大変心配な状況にあります。中津市においては、11月18日に9例目となる感染者が110日ぶりに確認されました。季節性インフルエンザの流行期に備え、市民の皆様には、引き続き感染症防止に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、支援制度の活用状況につきましては、収入の減少等により経済的に苦しくなった方への生活福祉資金の貸付けの申請受付件数は、11月15日時点で1,042件となっています。また、経営に深刻な影響を受けた中小企業者等への各種支援制度につきましては、11月27日時点で、県の特別融資に対する利子補給が175件、店舗や事業所等への賃料補助金が543件、事業継続支援金が819件、感染防止対策補助金が411件の申請をそれぞれ受け付けております。要件に該当する方に制度を十分活用いただけるよう、周知を徹底いたします。
 また、プレミアム付き商品券は、延べ7,003人に対し、発行総額10億円分を完売いたしました。11月16日時点での換金率も約7割となり、消費喚起・地域経済の活性化に寄与しているものと考えます。
 一方、市民の皆様の感染予防のため、感染症に詳しい医師を講師として、感染症対策のセミナーを地道に開催しています。これまでに、「元気!いきいき週一体操教室」で28箇所、介護サービス事業所等で3箇所開催し、多くの高齢者や事業所等の職員が参加されました。今後とも、このようなセミナーをはじめ、正しい知識に基づく感染症対策について、市民の皆様と情報を共有しながら、感染拡大防止に努めてまいります。

 次に、国民保護の取組みについてです。
 11月19日、ダイハツ九州アリーナにおいて、テロ対処能力の向上、関係機関相互の連携強化を図るとともに、国民保護に対する市民の理解を促すことを目的に、多くの市民の皆様のご協力のもと、大分県国民保護共同実動訓練が行われました。国、県、市が一体となって、被災者の救出や避難誘導、応急救護、救急車やヘリコプターでの搬送、避難所運営など、より実践的な訓練を行いました。今後も、自然災害はもとより、国民保護事案等に対する危機管理能力の向上に取り組んでまいります。

 次に、地域の拠点となる施設の整備についてです。
 9月18日、和田コミュニティーセンターの竣工式を行いました。生涯学習活動や地域住民の交流の場としての機能のほか、消防団車庫兼詰所との複合的整備などにより防災機能も強化しており、地域の拠点施設として住民に親しまれ、大いに活用されることを期待しています。
 また、9月25日に三光公民館、10月16日に本耶馬渓町西谷地区公民館の建設工事の起工式が行われました。地域に必要な機能を確保しつつ、それを集約することにより、さらに地域に密着した拠点施設となるよう整備を進めてまいります。
 また、10月1日、今津校区内では初となる小規模多機能型居宅介護事業所及び認知症高齢者グループホームが開設されました。いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりや、地域の需要に応じた介護サービスの基盤整備を行い、地域包括ケアシステムの深化、推進に繋げてまいります。

 次に、産業振興についてです。
 10月27日、株式会社日本薬研の立地表明が行われました。女性向けプロテインや海外向けサプリメントの受注拡大に伴い、本耶馬渓町に新たに事業所を増設するもので、設備投資額は6千万円、新規雇用者数は3名の予定です。今後とも、旧市内、旧下毛地域を問わず、この中津の地で頑張る企業を応援してまいります。
 また、9月19日、道の駅なかつ施設内のJAおおいた直売所オアシス春夏秋冬のレジ通過者数が350万人に達しました。7月以降、減少していた来客数も徐々に回復してまいりました。今後も感染症防止対策を実施しながら、多くの皆様に安心して利用いただける施設となるよう、適切な管理運営に努めてまいります。
 また、9月21日から11月1日まで、東京都内にある九州専門のセレクトショップにおいて、中津市の物産フェアを開催しました。各種イベントが自粛される中にあっても、イベントの規模や開催場所などを工夫し、今後もなかつ6次産業推奨品「なかつファイブスターストーリー」のブランド化及び認証品の販売力強化に向けて取り組んでまいります。

 次に、観光振興についてです。
 10月18日、JR九州の新しい観光列車「36ぷらす3」が、中津駅に初めて停車しました。当日は、中津祇園保存協議会の協力で祇園囃子の演奏によるおもてなしを行ったほか、ホームに物販ブースを特設し、6次産業推奨品や和菓子などの土産品を販売し、乗客に非常に喜ばれたところです。毎週日曜日、この列車が停車した際には、週替りのアトラクションによるおもてなしと物販を行い、中津の魅力をPRしてまいります。
 また、コロナ下で多くの祭りやイベントが中止になりましたが、感染防止策を徹底した上で、一部のイベントが開催できるようになりました。中津の秋を楽しむイベント「やまくに軽トラ市」、渓石園・ひさしもみじのライトアップ、「本耶馬渓財宝伝!」や、「耶馬三橋」の広告を新聞に掲載し、県内に広くPR・集客を図ったところです。
 こうした観光情報の発信と秋の行楽シーズンの到来により、多くの観光客が訪れる中、深耶馬温泉館もみじの湯とやすらぎの郷やまくにの温泉水からレジオネラ属菌が検出され、一時休館する事態となりました。幸い利用者に健康被害はありませんでしたが、施設の管理者として深くお詫び申し上げます。設備の清掃、消毒を徹底して行い、もみじの湯は11月5日に、やすらぎの郷やまくには同月28日に、それぞれ再開しました。今回の教訓を活かし、日頃における適切な運営と非常時における危機管理について、指定管理者とも十分に協議を行い、施設の安全な管理運営に努めてまいります。

 次に、スポーツ、文化・芸術活動の振興についてです。
 今年も多くの高校生がスポーツで活躍し、好成績を残しています。全日本バレーボール高校選手権県予選では東九州龍谷高等学校が21年連続で優勝、全日本バスケットボール選手権県予選では中津北高等学校女子バスケットボール部が5年連続で優勝、また、大分県高等学校新人大会では中津東高等学校相撲部が優勝し、それぞれ全国大会に出場いたします。
 また、9月5日及び10月17日に、新中津市学校において、慶應義塾大学の米山光儀教授と山内慶太教授をそれぞれ講師とし、福澤諭吉の著作を通して思想や当時の社会状況について解説いただく市民講座を開催しました。
 また、慶應義塾と共同で調査研究を進めております渡辺家資料から、学問を志した福澤諭吉の青年時代を物語る貴重な資料が発見されました。この資料は、現在、企画展「福澤諭吉の書」において、歴史博物館及び福澤記念館で公開しています。
 今後も、市民講座や資料の公開展示などにより、福澤研究の成果を市民に還元するとともに、人材育成と交流の場として新中津市学校の一層の活用を進めてまいります。
 また、9月26日から11月10日にかけて、「中津ART!ART!ART!フェスティバル」を開催しました。歴史博物館と木村記念美術館における合同企画展のほか、光のアート作品の展示や若手アーティストの個展などを開催し、会期を通じて多くの方にお越しいただきました。
 また、11月8日、中津文化会館において、県内では8年ぶりとなる第62回九州地区民俗芸能大会が開催され、中津市からは、中津祇園龍王町と北原人形芝居が出演しました。
 今後も様々なかたちで、市民がスポーツや文化、芸術に触れる機会をつくりながら、これらの活動の振興に努めてまいります。

 次に、ふるさと教育の推進についてです。
 10月10日、「なかつ学びんぴっく」を開催し、小学生を対象とする子ども中津検定と、今年から新たに中学生を対象とするジュニア諭吉検定を行いました。この検定を通して、子どもたちがふるさと中津の良さを再発見することを期待しています。今後も、中津を誇りに思い、自分のふるさとに愛着を持つ子どもたちを育成してまいります。
 また、同日、中津南高等学校耶馬溪校において、体験入学会が行われました。市内の中学3年生65名と、保護者約20名の参加がありました。生徒による学校説明のほか、特色ある教育活動、進路状況等の説明、授業見学や体験授業が行われ、さらに、生徒たちが制作した耶馬溪校の取組みや地域の魅力を伝えるCMの上映も行われました。翌日には、セントラルシネマ三光において、当該CMの上映会が行われ、地域の方など193名が視聴しました。今後とも、学校の存続を図るための取組みをはじめ、同校の独自の取組み等を県教育委員会とともに支援してまいります。

 次に、環境共生都市なかつの実現に向けた取組みについてです。
 現在、新たな資源ごみの分別区分など、ごみの減量・資源化をさらに推進するための施策を検討しています。これらの施策の素案について、10月に市内各所で説明会を59回開催し、延べ1,017人の市民の皆様に参加いただき、広くご意見をいただきました。加えて、素案に係るパブリックコメントに対するご意見を踏まえ、中津市廃棄物減量等推進審議会でごみ減量・資源化の施策について、さらに検討を進めていただいています。今後も、「環境共生都市なかつ」の実現に向けて取組みを進めてまいります。

 最後に、中津日田地域高規格道路の進捗状況等についてです。
 今年度は、山移から大島を結ぶ「耶馬溪道路」が開通する予定であり、未着手区間である耶馬溪山国間の来年度新規事業化に向けて取り組む節目の年であります。
 9月30日から、中津日田道路に対する地域住民の理解を深め、未着手区間の新規事業化や建設中区間の整備促進に向けた機運醸成を目的とした中津日田道路シンポジウムWEB版を公開しております。
 また、10月18日、中津市山国町と日田市を結ぶ日田山国道路の着工式が日田市で行われました。10月28日、29日には、中津市、日田市、大分県の関係者により、国土交通大臣、財務大臣など国や地元選出国会議員に対し、事業の促進、特に耶馬溪山国間の来年度の新規事業化や、現在工事中の三光本耶馬渓道路の開通時期の公表などについて要望活動を行いました。
 圏域の発展ある未来のためにも、中津日田道路の一刻も早い完成を目指し、引き続きしっかりと国や県に働きかけてまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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