令和3年第1回定例市議会の行政報告

公開日 2021年02月22日

 令和3年第1回定例市議会の開会にあたりまして、諸般の行政報告等を行います。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 11都府県に緊急事態宣言が出される中、中津市においても、1月だけで新たに70名の新規感染者が確認されました。昨年1年間の感染者数16名と比べ、急激に感染拡大している状況でした。感染経路につきましては、帰省など県外に由来するもののほか、家庭内での大人数、長時間での会食によるものが確認されています。2月に入り、全国的にも大分県においても、また中津市でも感染者は減少しているものの、決して油断することなく感染防止に取り組む必要があります。市民の皆様には、会話時のマスク着用など感染防止に引き続き取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、高齢者施設での集団感染が確認されたことを受け、医療・介護の専門職員からなる福祉施設感染管理対策チームを編成しました。市内の入所系福祉施設等を訪問して、感染予防対策や感染者が確認された際の対応などの情報提供を行っています。
 さらに、2月1日、新型コロナウイルスワクチン接種対策室を設置しました。速やかに、かつ、円滑に、市民に対して接種を行えるよう、昨年末から中津市医師会と協議を始め、接種体制の構築を進めておりました。4日には、接種の実施に際して協力体制が不可欠となる医師会、医療機関、行政機関によるプロジェクト会議を発足し、現在、接種の方法等について具体的な検討を進めているところです。これまで同様、これからも、市と医師会とで連携を密にして、ワクチン接種の体制を充実させ、一日も早く市民が接種できるよう全力で取り組んでまいります。
 一方、こうした厳しい状況を受け、経営に深刻な影響を受けた中小企業者等への事業継続支援、店舗や事業所等への賃料補助、感染防止対策補助について、それぞれ対象期間を拡充したところです。
 2月19日時点における申請受付総件数は、県の特別融資に対する利子補給が185件、事業継続支援金が1,044件、賃料補助金が1,018件、感染防止対策補助金が1,559件となっています。
 また、収入の減少等により経済的に苦しくなった方への生活福祉資金の貸付けの申請受付件数は、1月末時点で1,143件となっています。
 さらに加えて、今回新たに、経営に大きな影響を受けた中小企業者等に対する特別応援金や、感染リスクが高い環境下で不安を抱えながら働く児童福祉施設従事者への慰労金、基準日の関係で国のひとり親世帯臨時特別給付金の支給対象とならなかったひとり親世帯への特別支援金を支給することとします。
 これらの制度の周知を徹底し、要件に該当する方に十分活用いただけるよう努めてまいります。
 また、子どもたちへの支援として、昨年12月、ひとり親家庭の親子のふれあいやリフレッシュを目的とした映画鑑賞招待事業を実施しました。368組の親子から応募があり、映画観賞券971枚を贈りました。クリスマスには、家族との交流制限等により寂しい思いをしている施設入所児童へのプレゼントとして、マジックショーなどのステージイベントや、映画鑑賞券、お菓子などを贈りました。
 また、本年の成人式は、これまでの集会形式からインターネット上に動画を配信する方法に変更し、「なかつWeb成人式2021」として実施しました。同時に、SNSやリモート通信などを活用し、新成人たちが交流できる新しい形の成人式を、中津市成人式実行委員会とともに作り上げることができました。
 また、中止となった「禅海ふるさとまつり」に代えて、宝探しイベント「本耶馬渓財宝伝~禅海くんからの挑戦状~」の開催や、利用が落ち込んだコアやまくにのシアターホールで「コアシネマ月イチ映画館」が始まるなど、「新しい生活様式」に対応した地域を元気づける取組みも行われるようになっています。
 今後とも感染状況の動向をしっかり把握し、保健所、医療機関その他関係機関と緊密な連携を取り、感染拡大の防止に向けて適切な対応に努めるとともに、地域経済の再活性化、「新しい生活様式」への対応や支援等にも取り組んでまいります。

 次に、1月7日からの大寒波に伴う水道事業等への影響についてです。
 市内全域で各家庭や事業所の水道給水管や家庭用給湯器等の凍結による破損が相次ぎ、多くの箇所で漏水が発生しました。特に三口浄水場の配水池の貯水量が激減し、やむを得ず旧中津市内及び三光地域の一部において、8日から14日まで給水制限を実施しました。一部の地域で断水状況となったことから、コミュニティーセンターや上下水道部庁舎等7箇所において拠点給水を、南高瀬公民館等5箇所において移動給水を実施しました。5年前の大寒波による漏水の経験から、寒波到来前に水道給水管等の凍結防止の呼びかけを行いましたが、多くの市民の皆様にご不便をおかけしました。
 今後の対策としまして、まずは凍結防止対策についての周知が不十分であったとの反省から、凍結防止対策や漏水確認の方法を写真入りで詳細に説明したパンフレットを市報に合わせて全戸配布するとともに、私自身が市報で、寒波への備えについて市民の皆様へ重ねてお願いをしました。また、施設の機能強化として、1月に三口浄水場に可搬式浄水装置を導入し、1日あたりの浄水能力を向上させたほか、三口浄水場の耐震化及び更新事業を加速させ、配水能力の増強を図ります。今後とも水道水の安定供給に努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

 次に、子育てと仕事の両立支援についてです。
 中小企業における子の看護休暇制度の普及を図るため、子育てと仕事の両立支援事業に先駆的に取組む事業所を「子育てと仕事の両立応援事業所」として認定しています。12月に、株式会社川原田印刷社と有限会社サナップの2事業所を認定しました。今後も、子育てと仕事を両立できる職場環境づくりを推進しながら、企業や地域、中津市全体で子育てを応援する意識の醸成を図ってまいります。

 次に、食の観光の推進についてです。「2020中津耶馬渓食の周遊」キャンペーンは、114店舗の参加のもと応募総数が3,743通あり、1月28日に公開抽選会を行いました。中津の観光や食のPRだけでなく、市内飲食店への誘客にも大きな効果があったものと考えます。

 次に、1次産業振興の取組みについてです。
 大分県漁協中津支店によるブランド牡蠣「ひがた美人」の出荷が、例年より約1か月早い11月下旬から始まり、12月17日には初の「旬入り宣言」、翌18日からはカキ小屋「美人小屋」も営業を開始しました。
 2月7日には、中津魚市場、漁業者、仲買人との共同で、魚市場開設一周年記念イベント「市民おさかな感謝デー」が開催されました。また、13日には、道の駅なかつでドライブスルーイベントが開催されました。いずれもテイクアウト販売や、ネットや電話で事前予約した商品をドライブスルー方式で受け取るなど、コロナ下ならではの新しい販売方法で行われました。

 次に、企業誘致についてです。
 2月12日、大分県庁において、九州市光工業株式会社の立地表明式が行われました。取引先の事業拡大に伴い生産設備を増強するもので、投資額は約12億円、新規雇用者数は70人の予定です。また、株式会社シーゲルからも、中津第2工場に新たな建屋を建設し、生産設備を増強する立地表明がありました。増設に伴う投資額は約9億円、新規雇用者数は10人の予定です。コロナ下の不安定な社会経済情勢が続く中にあって、将来を見据えた投資や雇用の確保により市経済の支えとなる企業誘致の意義は、大変大きいと考えております。アフターコロナに向けても、サプライチェーンの分散化・国内回帰などの企業活動を注視しながら、今後も県と連携し、積極的に企業誘致に取り組んでまいります。

 次に、スポーツの振興についてです。
 12月4日、中津体育センターにおいて、東京2020オリンピックの聖火巡回展示が行われました。中津市での展示は、九州では初めての展示であり、また、除幕式に福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手に参加いただいたこともあって、約2,000人が来場しました。
 また、年末に行われた全国高等学校バスケットボール選手権大会において、中津北高等学校女子バスケットボール部が初のベスト16入りを果たしました。年明けの全日本バレーボール高等学校選手権大会では、東九州龍谷高等学校女子バレーボール部が全国3位となりました。
 コロナ下にあってもスポーツに親しむ環境を確保し、市民の健康増進やふれあいの場を提供できるよう努めてまいります。

 次に、福澤先生の遺徳の顕彰についてです。
 12月4日、全国から高校生弁士が出場する福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会を開催し、その前日には、出場者を対象に、慶応義塾福澤研究センターの西澤直子教授から「人間交際」に関する講話を行っていただきました。また、2月5日から、福澤諭吉に因んだ文字を課題とする近郊小中学校書写展を行いました。
 また、これらの顕彰事業に加え、2024年の一万円札の肖像交代までの3年間を"オールなかつ"で重点的に顕彰するため、仮称ですが「不滅の福澤プロジェクト」と銘打って取り組むこととしました。商工会議所等の経済団体や関係機関等とともに運営組織を立ち上げ、肖像交代を福澤先生顕彰の新たなスタートと捉えて、今後も継続的に取り組み、福澤先生の偉業を末永く後世に伝えてまいります。

 次に、中津日田地域高規格道路の進捗状況等についてです。
 2月28日、地域高規格道路中津日田道路のうち、山移ICから下郷交差点までの耶馬溪道路が開通します。開通前の鹿熊ふるさとトンネルを利用して、耶馬溪町内の3小学校によるウォーキングやサイクリングのほか、地域住民によるキャンピングカーを利用した宿泊イベントなど、地域で開通を盛り上げるイベントが行われました。20日には、開通記念プレイベントとして、ウォーキングやサイクリング、マルシェが催されました。
 耶馬溪道路の開通により、地域経済の活性化、新たな観光ルート及び災害時の安全な迂回路の形成が見込まれます。1月18日に発生した本耶馬渓多志田の国道212号沿いの土砂崩れで全面通行止めとなった際には、本耶馬渓耶馬溪道路が迂回路として大きな役割を果たしました。また、この土砂崩れに関しましては、発生直後から道路管理者である大分県中津土木事務所と連絡を密に取り、迂回路や通行止めの解除に関する情報をホームページやSNS等により発信し、市民の安全の確保に努めました。
 今後とも、現在工事中の三光本耶馬渓道路の早期開通、さらには耶馬溪山国間の新規事業化を国や県に働きかけ、中津日田道路の一刻も早い完成を目指すとともに、国道212号を安心して通行できるよう、国や県と情報交換を行い、危険箇所の点検や補修等を進めていただくよう働きかけてまいります。

 最後に、「環境共生都市なかつ」の実現に向けた取組みについてです。
 環境の保全については、「中津市きれまち隊」の72団体、1,013人の皆さんがボランティアで清掃活動を行い、「きれいなまち中津」を推進してくださっています。この活動をさらに拡げるため、11月を「きれまちクリーンアップ月間」と定め、市民や各団体による市内清掃活動や、これらの活動をSNSにより発信する「中津きれまちプロジェクト2020」を中津うつくし作戦「アーチ」実行委員会との共催で実施しました。
 また、中津市廃棄物減量等推進審議会において、ごみ減量・資源化をさらに推進する施策について慎重に審議を重ねていただいておりましたが、2月8日、答申をいただきました。答申では、家庭ごみについて、容器包装プラスチックの分別収集や生ごみキエーロの普及促進、ごみ袋の有料化などの施策の一体的な取組みが必要であるとの提言がありました。また、事業所から排出される事業ごみについても、家庭ごみのごみ袋有料化による負担割合等を勘案して、事業ごみの搬入料金を改定し、適切な分別や適正な処理の徹底を図ることなどの提言をいただいております。
 今後は、この答申をもとに、「環境共生都市なかつ」の実現、循環型社会の形成を促進するため、ごみ減量・資源化を推進する施策を実施し、市民・事業者・行政が一体となった次世代の中津市のまちづくりを進めてまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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