令和3年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2021年11月29日

 令和3年第4回定例市議会の開会にあたりまして、諸般の行政報告等を行います。

 まず、新型コロナウイルス感染症についてです。
 8月から9月にかけて全国的に感染が拡大し非常に厳しい状況が続いていましたが、9月末で国内すべての地域で緊急事態措置、まん延防止等重点措置が終了し、10月14日には大分県における感染状況もステージ1に引き下げられるなど、感染状況に落ち着きが見られます。中津市においても8、9月の2ヶ月間の新規感染者数が累計479人と急速に増加し、医療提供体制のひっ迫が心配されましたが、医療従事者、関係機関のご尽力と市民の皆様の感染防止対策へのご協力により、10月に入ってから市内での新規感染者は確認されていません。
 ワクチン接種につきまして、ダイハツ九州アリーナにおける集団接種は10月23日をもって一旦終了し、現在は市内医療機関にて12歳以上の方へ接種を行っています。11月21日時点で、対象者の8割を超える83.7パーセント、63,589人の方が2回目の接種を完了しています。最近の新規感染者数や、感染した場合の重症化・死亡リスクの低さなどから、ワクチン接種の効果が明確に認められます。引き続き、希望するすべての方への接種を進めていきます。
 あわせて、3回目の追加接種に向けた対応も進めています。2回目の接種から原則8か月が経過する方に対して追加接種を行うこととしており、医療従事者等の先行接種者は12月から、市民の皆様については令和4年1月から接種を開始する予定です。
 また、今後の感染再拡大に備え、10月より市内の施設・企業等に対し、抗原検査キットの配布を開始しました。これは、市内の企業等において新規感染者が確認された場合に、保健所等によるPCR検査の対象とならない、感染者・濃厚接触者等の周辺の方々を配布の対象としています。また、ワクチン接種の対象となっていない12歳未満の子どもたちと活動を共にする学校、保育所、幼稚園、こども園、放課後児童クラブ等に対しては、感染者が確認されなくても、職員または従事者が体調不良時などに検査できるよう、事前に検査キットを配布します。配布を希望される場合、事前登録と使用方法等についての研修を行っていただくこととしており、11月26日現在、104件の登録を受けています。感染をできるだけ小さな範囲で封じ込める対策として、多くの施設・企業等の登録を進めていきます。
 感染拡大により影響を受けた市内事業者に対する応援金等の申請受付を10月11日から開始しています。売上げが減少する中で事業を継続している市内の中小企業者等に対する「がんばる中小企業者等緊急応援金」については、11月26日時点で730件の申請がありました。大分県「安心はおいしいプラス」の認証を受けた市内飲食店事業者に対する奨励金については、同様に116件の申請となっています。
 また、年末年始の需要に合わせて地域内での消費を喚起するため、総額8億5千万円の規模でプレミアム商品券及び食事券を発行することとし、現在、購入申込みを受け付けています。20パーセントのプレミアムを上乗せする商品券に加えて、今回は30パーセントの上乗せのある食事券も用意し、飲食店をはじめとする幅広い事業者の活力回復を後押ししていきます。
 また、10月1日から12月12日までの間「食べて、めぐって応援2021なかつやばけいグルメでスタンプラリー」を開催しています。飲食店112店舗と観光施設等12店舗に参加いただき、市民をはじめ多くの観光客に中津ならではの観光やグルメを楽しんでいただくことにより、飲食店や観光関連事業者を応援していきます。
 さらに、秋の行楽シーズンにあわせて、中津の魅力を体験するイベントも市内各所で開催されました。
 日本遺産やばけい遊覧を題材とする体験プログラム「やばはく秋2021」では、トレッキングやサイクリングなど19種類の体験交流プログラムを地域の事業者との連携により提供し、事前申込をいただいた154名のほか、常設のプログラムにも多くの方に参加いただきました。
 2年ぶりの開催となった三光コスモス園、やまくにかかしワールド、からあげフェスティバルも多くの方でにぎわいました。三光コスモス園では、クラウドファンディングや駐車場の有料化など、持続可能なイベント運営の工夫を取り入れたほか、やまくにかかしワールドでは、北九州市立大学のゼミと連携・協力し作成した竹製の「スタードーム」によるイルミネーションも点灯するなど、新たな試みも生まれています。
 また、JR日豊本線でつながる中津市、吉富町、豊前市の3市町の連携イベント「県境をこえて電車でハロウィン」では、中津・吉富・三毛門・宇島の4駅共通のフォトコンテストや各駅でのイベントが開催されました。中津駅では、駅構内に設置したピアノを演奏した方の中から日ノ出町商店街の商品券が当たるイベントが行われ、122名の方に参加いただくなど、周防灘地域が連携・協力してにぎわいづくりに取り組みました。
 今後も民間や近隣自治体などとの連携により、感染対策を十分に取りつつ人流を増やす取組みを進めることで、関連する事業者の活力回復、地域のにぎわいづくりにつなげて行きます。

 次に、災害に強いまちづくりについてです。
 9月28日、市内にコンテナホテルを開業予定の株式会社デベロップと災害時における協定を締結しました。これは、宿泊施設として利用されているコンテナ型の施設を、災害などの際に避難先や宿泊所として利用することや、コンテナごと被災地に移動させ、仮設住宅や現地対策本部などとして活用することを可能とする協定です。施設設置までの期間が大幅に短縮され、より迅速な現場対応が可能となります。
 災害に強いインフラ整備について、九州治水期成同盟連合会として、10月6日、九州地方整備局へweb会議による要望活動を行ったほか、10月27日には東京で国土交通省と意見交換を行い、山国川の施設整備等について要望しました。
 また、災害時の代替ルートとしても期待される中津日田間地域高規格道路について11月15日、16日に国土交通大臣、財務大臣に対し、早期完成に向けた整備中区間の事業促進、未着手区間の早期事業化に関する要望活動を行いました。翌日の17日には、九州国道協会による国土交通省との意見交換会に出席し、生活・福祉、経済、観光の観点からもその重要性を強く訴えたところです。
 引き続き国県に対して地域の現状をしっかりと伝えていくことで、災害に強いインフラ整備を進めていきます。
 また、様々な機関と連携し、市民の防災意識向上の取組みも進めています。樋田小学校において実施されたNHKによる防災授業や、県の事業として山国町春田地区で行われた土砂災害ハザードマップをもとにした「まち歩き」、中津青年会議所による体験型の防災イベントなど、幅広い世代に対する多角的なアプローチにより、多くの方に防災への関心を持っていただく機会を創出しています。今後も、"災害は起きる"という前提のもと、様々な機関との連携によりあらゆる災害にもしなやかに対応できるまちづくりを進めていきます。

 次に、地域の拠点施設の整備についてです。
 9月22日、公民館機能に加え図書館、児童館、デイサービス、防災機能も有する中津市初の本格的複合施設「三光コミュニティーセンター」の竣工式を行いました。生涯学習活動をはじめ、地域づくり活動や地域住民の交流の拠点、さらには地域福祉、子育て支援の施設として、幅広い世代が集い、にぎわいのある場となることを期待しています。

 次に、人権尊重社会の確立についてです。
 11月8日、人権を守る市民の集いを開催し、人権啓発優良団体や人権標語・人権作文の優秀作品の表彰を行うとともに、記念講演会を行いました。「インターネットにおける人権侵害~差別書き込みの被害者を救え~」と題した講演では、近年、SNS等によりコミュニケーションの輪が広がり便利になる一方で、それを悪用した差別や中傷などの被害が生じている問題を、実例や対処法なども交えてお話いただきました。今後も、時代の変化に応じた人権意識の向上を進めていきます。

 次に、産業振興についてです。
 10月15日に半導体関連部品を製造する株式会社KOTANIの立地表明式が大分県庁にて行われました。三光森山の中津第2工場に新たなラインを構築し生産力を増強する計画で、投資額3.3億円、15名の雇用を予定しています。
 また、11月11日には自動車部品を製造する株式会社ディーアクトの立地表明式が大分県庁にて行われました。プレス棟を増築し大型プレス機を増設する計画で、投資額19.7億円、15名の雇用を予定しています。
 さらに、先週11月26日には、株式会社エスプールが三光地域にあるショッピングモールにBPOセンターを開設することを表明しました。センターは100社を超える企業のコールセンター業務や複数の自治体業務を受託するオフィスで、女性を中心とした約30名の雇用を予定しています。自動車関連のほか半導体関連企業の増設や今回の女性雇用の多い企業の新設もあり、市内産業の重層化に向けて、引き続き幅広い分野の企業活動を支援していきます。
 また、10月23日、道の駅なかつのJAおおいた直売所オアシス春夏秋冬のレジ通過者が400万人を突破しました。コロナ下ではありますが、徐々に人の動きも回復傾向にある中で、地域の皆様をはじめ、多くの方々にご利用いただいています。今後とも、道の駅なかつをはじめ、市内の道の駅が中津市の農林水産品や特産品の情報発信基地となるよう、機能の充実とさらなるサービス向上に取り組んでまいります。
 地域産品のブランド化を図る取組みでは、「なかつ6次産業推奨品(なかつファイブスターストーリー)」に、今回新たに杉の子工房の「しいたけ醤油」が追加されました。これにより推奨品の認証は、合計19事業者27商品となりました。今後も市内農林水産物を活かした特色と魅力のある商品の開発を支援していきます。
 また、農業公社やまくにでは、完熟堆肥を使って生産した山国の米を「やまくに誉」と名付けブランド化する取組みを始めました。ふるさと納税の返礼品としても提供するなど市内外へのPRと生産拡大を進め、農家所得の向上を目指します。

 次にスポーツ・文化の振興についてです。
 10月29日から11月2日の5日間、耶馬溪アクアパークにおいて第66回桂宮杯全日本学生水上スキー選手権大会(インカレ)が、無観客などコロナ感染防止対策を講じ開催されました。全国から238名の選手、50名の競技役員などが中津市に訪れたほか、大会の約1か月前から全大学が事前合宿を行い、市内民泊施設などでの宿泊や食事等により地域へ大きな経済効果がもたらされました。
 また、10月10日には、ダイハツ九州スタジアムにおいて、宝くじスポーツフェア「ドリーム・ベースボール」が行われました。当日は、堀内恒夫さんや村田兆治さんをはじめとした元プロ野球選手20名による野球教室に、市内小中学生約160人が参加したほか、地元選抜チームとドリームチームによる熱戦も繰り広げられ、会場は盛り上がりました。
 11月6日から9日までの間、永添運動公園、禅海ふれあい広場を会場として開催された九州高等学校女子サッカー選手権大会では、九州各県の代表16チームが集まりました。また、三光総合運動公園では、11月6日に大分県ノマリフットボールフェスタが開催されました。これは、精神疾患や障害がある人がフットサルを楽しみつつ、症状への理解や支援の輪を広げることを目的としており、市内外から15チーム200名を超える参加者が集まりました。
 文化振興では、中津文化会館において、2年ぶりとなるなかつ市民芸能祭が開催され、市内の文化活動を行う団体による演技などが披露されました。この他にも各種公演、展覧会等の文化イベントの開催も徐々に増え、活気が戻りつつあります。今後とも、多くの市民がスポーツ・文化に親しみ、交流できる機会の創出に努めてまいります。

 次に歴史と文化の伝承についてです。
 11月18日に「蘭学・洋学 三津同盟」の締結式を岡山県津山市にて執り行いました。優れた蘭学者・洋学者を輩出したという共通の歴史的背景を持つ中津市、岡山県津山市、島根県津和野町の3市町が相互に連携・協力し、「蘭学・洋学のまち」として積極的にプロモーションに取り組んでまいります。
 また、壱万円札の肖像として史上最長となる40年間に亘り活躍された福澤諭吉先生の偉業を後世に伝えていくための「不滅の福澤プロジェクト」がスタートします。明日11月30日にキックオフ会議を開催し、令和6年の壱万円札の肖像交代に向けて、慶應義塾との協力、市内商工団体等との連携により"オールなかつ"体制で取り組んでまいります。

 次に、自治体DXの推進についてです。
 市民サービスの向上と業務効率化のために、様々な分野で行政手続等のデジタル化を展開しています。特に、新型コロナ対策として10月から開始している民間事業者への給付金については、半数以上の方がオンライン申請を利用しており、利便性向上や迅速な給付に大きく貢献しています。また、ワクチン接種証明書の交付申請については、全国でいち早くオンライン受付を開始しています。
 また、マイナンバーカードの普及促進について、ワクチン集団接種会場での申請受付や、衆議院議員総選挙の期日前投票にあわせた臨時窓口開設を行ったほか、11月から12月にかけて市内6箇所の郵便局において出張申請受付も行っています。今後も「行かない」「書かない」市役所の実現に向けて、引き続き取組みを進めていきます。

 最後に、「環境共生都市なかつ」実現に向けた取組みについてです。
 海洋プラスチックごみの問題や地球温暖化対策としての2050年のカーボンニュートラルに向けた取組みなど、環境問題に関する世界的な潮流がある中で、市としても、これらの問題の解決に資する施策をさらに推進していく必要があります。そのひとつとして、課題となっているごみ減量・資源化を推進するためのごみ袋有料化とクリーンプラザ搬入料金の改定を令和4年9月1日から実施することとしました。中津市廃棄物減量等推進審議会の答申に基づき、新型コロナウイルス感染症の新規感染者の減少や、ワクチン接種の進捗状況、行動制限の緩和等の動向、また、日銀短観など各経済指標の状況も勘案し、コロナ禍からの回復の兆しが見られるとして実施時期を判断しました。今後、十分な周知期間の中で、市民説明会やミニ集会、市報、ホームページなどを通じて制度の説明を丁寧に行い、スムーズに制度がスタートできるよう取り組んでまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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