令和5年第1回定例市議会の行政報告

公開日 2023年02月20日

 令和5年第1回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。

 まず初めに、本年1月17日、小学1年生児童のかけがえのない幼い命が失われるという、大変痛ましい出来事が起きました。亡くなられた児童のご冥福を心よりお祈り申し上げます。二度とこのような悲しいことが起きないように、大分県や関係機関とさらに連携を強化し、今後とも、子どもを産み育てやすい環境づくりに全力を尽くしてまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症についてです。
 国は、新型コロナウイルス感染症の位置付けを本年5月から、2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行する方針を示していますが、引き続き一人ひとりが基本的な感染対策を実践していただくことが重要です。また、ワクチン接種についても、重症化リスクが高い高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方をはじめ、必要な方が接種を受けられるよう体制を確保し、接種を呼びかけてまいります。

 次に、コロナ禍の電力・ガス・食料品等の価格高騰に対する市民、事業者の方への支援についてです。
 住民税非課税世帯等に対する5万円の緊急支援金については、11月16日から支給を開始し、2月20日現在、10,812世帯に対して5億4,060万円を支給しています。
 また、子どもの健やかな成長を応援するため、市独自の支援策として市内在住の児童一人につき1万円を給付する「子育て元気応援給付金」の支給を12月16日に開始し、2月20日現在、7,473世帯1億3,700万円を支給しています。
 事業者、そして物価高騰に直面する市民の方々、双方への支援として、第5弾の中津市プレミアム商品券及び食事券を発行し、発行総額7億8千万円を完売しました。
 また、市内の中小企業者や貨物運送事業者に対する経営の安定化を図るため、11月下旬から受付を開始した支援策については、2月20日現在でがんばる中小企業者等応援金が208件、貨物運送事業者等支援金が69件の申請を受け付けています。
 家庭のエネルギー費用負担の軽減と、温室効果ガスを削減するために、1月からLED照明への買い替えに対する補助金を交付しています。申請受付件数は2月20日現在で1,177件となっています。
 燃料高騰により厳しい経営状況にある地域公共交通事業者に対する支援については、12月から申請受付を開始し、2月20日現在、バス事業者2件、タクシー事業者5件の申請を受け付けています。
 このほか、地域経済活性化及び観光関連事業の振興を図るため、市内宿泊者に登録飲食店で使用できるクーポン券を配布する「なかつ泊まってお得や券」キャンペーンを実施しています。また、九州自動車道古賀サービスエリアでも「お得や券」が入ったカプセルトイを設置する「なかつ旅っチャおかわり2倍盛り!」キャンペーンを1月13日から実施しています。

 次に、1月24日からの寒波による漏水への対応についてです。
 10年に一度といわれた寒波の影響により、家庭や事業所の水道管や給湯器等の凍結・破損による漏水が多発し、三口浄水場の配水池の水位が著しく低下したため、1月25日21時から、やむを得ず給水制限を実施しました。そのため、一部の地域の皆さまにはご迷惑をおかけしましたが、全庁から職員を動員して漏水箇所の把握と止水作業を実施し、また、管工事組合や自治委員、消防団、防災士をはじめ、多くの方々に早期復旧へ向けてご協力いただいたおかげで、27日16時に給水制限を解除することができました。
 また、今回の寒波により他の自治体でも被害を受けており、本市は竹田市に給水車と人員を派遣し支援を行ったところです。

 次に、高齢者福祉の充実についてです。
 市内初の看護小規模多機能型居宅介護事業所が3月1日に下池永に開設されます。医療と介護双方のニーズを持つ高齢者に、状況に応じた「訪問」、「通い」、「泊り」及び「訪問看護」などのサービスの組合せにより多様な療養支援を行うものです。このような複合的サービスの提供により、いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられることが期待されます。

 次に、みんなが子育てしたくなるまちづくりについてです。
 オープンから5年が経過した、なかつ・こどもいきいきプレイルームの利用者数が1月に延べ20万人を突破しました。コロナ禍で一時的に閉館した時期もありましたが、感染対策をしっかり行い、安心して利用できる環境整備に努めております。これからも子どもたちの元気な声が響き渡る、活気溢れる中津市であり続けられるよう、引き続き子育て支援に取り組んでまいります。

 次に、安全・安心なまちづくりについてです。
 中津市暴力絶滅推進協議会が本年で発足から50周年を迎え、12月3日に記念式典及び記念講演会が開催されました。協議会の暴力絶滅への強い意志と地道な活動が大きな力になっていると感じています。
 また、1月28日には、中津文化会館にて中津市安全・安心まちづくり推進大会を3年ぶりに開催しました。功績があった団体・個人の表彰を行い、三保地区防犯パトロール隊による活動報告も行われました。アトラクションでは中津警察署、東九州龍谷高等学校の生徒による特殊詐欺、悪質商法防止の創作劇も上演され、参加いただいた約300人の市民の皆さまと共に、「地域の安全は地域が守る」という防犯意識の高揚を図りました。
 1月15日、中津文化会館及び中津体育センターにおいて、国、県との共催で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施しました。この避難訓練には、消防団、防災士協議会、文化協会、市民の方々など、約160名の皆さんが参加し、万が一の際に自身がとるべき対応などについて学びました。今後も、自然災害に備え、多くの方に参加いただける避難訓練や学習の機会の提供に努めてまいります。

 次に、一次産業の振興についてです。
 令和4年度の「全国麦作共励会」において「農事組合法人おぶくろ営農」が最上位の農林水産大臣賞を受賞しました。「おぶくろ営農」は、三光地域でいち早く集落営農に取り組み、積極的な農地集積、大型機械の導入や作業の効率化、単収の向上など高い技術力が評価されました。
 また、「大分県農業賞」の先進的法人経営部門において三光地域の「有限会社 中原農場」が最優秀賞を受賞しました。米価が低迷するなか、水田作物と園芸作物の複合経営によるリスク分散の取り組み、積極的な農地集積、スマート農業技術の導入、女性の雇用創出など地域と共存できる農業が評価されました。
 1月27日、バイオマス発電などを手掛ける「日本フォレスト株式会社」と山国川流域森林組合と共に、「企業参画の森林づくり」協定を締結しました。これは、平成14年から「県民総参加の森林づくり」の一環として大分県が推進している取り組みで、今後は、植樹祭での植栽や下刈りなど、森林保全活動に貢献していただきます。
 中津のブランド牡蠣「ひがた美人」の出荷が12月1日に始まり、12月9日に「旬入り宣言セレモニー」、1月11日には牡蠣小屋「美人小屋」も営業を開始しました。出荷量や美人小屋への来客数もコロナ禍以前の水準に回復してきています。今後も関係者とともに状況を的確に捉え、販売を支援していきます。
 1月22日、中津文化会館にて、NHK福岡放送局・大分放送局との共催による『ウオカツ・スペシャルトークショーin中津市』を開催し、漁協・飲食業者など、関係者の皆さまと共に中津の水産業をPRしました。

 次に、企業立地についてです。
 12月21日、カネク大分株式会社から立地表明書が提出されました。新たにフリーズドライ加工の設備を導入し、新商品の開発に着手します。総投資額1億円、新規雇用者6名、併せて、女性活躍を促進するためパワースーツや防犯ライト等の環境整備も行われる予定となっております。

 次に、観光振興についてです。
 毎年、春と秋に開催している、日本遺産やばけい遊覧博覧会「やばはく」が、文化庁の「文化ツーリズム賞」を受賞しました。日本遺産に認定された耶馬渓エリアを中心に、素晴らしい景観の中トレッキングやウォーキング、サイクリングなどを楽しむことが出来る観光体験プログラムの取組みが評価されました。また、「やばはく」は、この春、名勝耶馬渓指定100周年事業と連携し、過去最多の22個のプログラムで県内外から多くのお客様を受け入れる予定です。
 12月4日、本耶馬渓町において、4支所合同イベント「しもげ大軽トラ市」を開催しました。しもげ地域の42事業者が参加し農産品などを軽トラに乗せ販売が行われました。また、餅まき、魚の競り、神楽や太鼓の演奏なども行われ、市内外からの多くの来場者で賑わいました。
 新型コロナウイルスの影響で減少していた外国人観光客が、受け入れの緩和措置により戻ってきております。市では今後の本格的な外国人観光客の受け入れの環境整備のため、人材育成の取組みを進めております。今年度は英語及び中国語の観光ガイドとして活動されている方を対象とした研修会を開催し、それぞれ座学や現地でのフィールドワークを行いました。
 今後も、多言語で観光地や体験プログラムのガイドが出来るよう、引き続き、受け入れに向けた環境整備を進めてまいります。
 また、中津で昔から親しまれている和菓子を、より特別感のあるお土産にするための官民協働プロジェクトにて、中津銘菓「丸ぼうろ」と2種類のお茶を詰め合わせた「中津の御三時」が完成しました。早速、2月18日・19日に羽田空港第一ターミナルにて開催した「大分県中津市観光物産展2023」において販売しました。

 次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
 1月21日から3月12日まで、歴史博物館において、名勝耶馬渓指定100周年記念特別展「岩石の王国」を開催しており、その関連展示として、慶應義塾三田キャンパス内にある福澤諭吉記念慶應義塾史展示館においても、「福澤諭吉が守った風景-中津・耶馬渓-」と題した企画展を2月17日から3月11日の間で開催し、福澤先生が耶馬渓競秀峰の景観を、私財を投じ、開発から守ったエピソードについて紹介します。
 また、慶應義塾との連携事業の一環として、耶馬渓のお茶が慶應義塾の公式グッズとなるという嬉しいニュースもありました。パッケージには、福澤先生が守った耶馬渓の名勝指定100周年のPRも施されております。
 12月5日から7日に東京都の丸の内東京シティアイで開催された『新紙幣PRキャンペーン「紙幣の顔になる偉人達」』、2月17日に大分県大阪事務所が主催した大阪商談会に参加し、さらに、12月7日から9日には、台湾の主要都市で開催された台湾商談会にも参加し、不滅の福澤プロジェクトを国内外に広くPRしました。
 このように、多くの市民、企業、関係団体のご協力をいただきながら、オールなかつで福澤先生の顕彰に取り組んでいます。

 次に、スポーツ振興についてです。
 1月7日から9日の3日間、ダイハツ九州スタジアムにおいて、福岡ソフトバンクホークス甲斐拓也選手を始めとするプロ野球選手7名による冬季自主トレーニングが行われ、3日間で延べ2,500人が来場しました。選手による地元小学生対象野球教室も行われ、子どもたちにはプロ選手と直接触れ合い、指導を受けられる貴重な機会となりました。
 今年度、耶馬溪B&G海洋センターは施設を改修し、全国にある海洋センター初の取り組みとして、簡易宿泊所としての営業を開始します。リニューアルに伴い、施設愛称も一般公募で「やばすぽ」に決定しました。宿泊部門の営業開始は、令和5年4月を予定しており、スポーツ合宿や教育キャンプの誘致を進めるほか、隣接する耶馬溪アクアパークとタイアップすることで、大学生と地元住民の交流の場となるよう事業を展開します。

 次に、二十歳式についてです。
 昨年の改正民法の施行による成年年齢の引き下げに伴い、これまでの成人式から名称を改めて初となる二十歳式を、1月8日、中津文化会館において開催しました。今年度二十歳を迎える585人が参加し、二十歳という区切りの年に、これまでの人生を振り返り、夢や希望の実現に向けて決意や展望を新たにする機会としました。

 次に、環境共生都市なかつの推進についてです。
 2月9日に、NPO法人中津まちづくり協議会と共催の「令和4年度環境標語・環境ポスター・環境工作コンクール」の表彰式を行いました。今年度は607作品の応募があり、最優秀賞の作品については、今後の広報啓発活動に広く活用していきます。引き続き、市民、事業者、行政が連携して「環境共生都市なかつ」の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、あらゆる主体との連携についてです。
 6次産業・農商工連携の取組みとして、有限会社田中醤油店及び株式会社大分和郷、中津東高等学校商業科の生徒が連携して開発した、中津市産フルーツトマトの規格外品を使った新商品「旨辛トマメン」が完成しました。今後も6次産業化を農業振興の切り口の一つとして、産学官連携の取組みを支援してまいります。
 1月21日に日本文理大学の学生による、中津市でのフィールドワークの成果発表会が行われました。今年度は『八面山の観光振興』をテーマとして、学生20人が2回のフィールドワークを行いました。また、1月15日には大分県立芸術文化短期大学の学生による本耶馬渓町での『放置果樹の有効活用』をテーマとしたフィールドワークの成果報告会も行われました。両大学ともに若者目線で考えた観光振興策や広報手段を提案していただきました。

 次に、自治体DXの推進についてです。
 11月28日、北海道旭川市と「DX推進に係る連携協定」を締結しました。約1,500キロメートル離れた両市がデジタルの力で繋がり、互いの強みを共有し、弱みを補完しながら更なるDX推進を図ってまいります。早速、1月に行われた、市職員のデジタル技術活用の取組みを表彰する「Nakatsu DX Award 2022」の投票に旭川市職員も参加していただきました。今後も、お互いの成功事例やノウハウを共有するとともに、DX人材の育成に取り組むことで市民サービスの向上や業務効率化を加速してまいります。
 なお、自治体DXの重要な基盤となるマイナンバーカードの交付については、1月31日現在で申請率が76.1%となっております。

 以上をもちまして、報告とさせていただきます。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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