公開日 2025年06月18日
子どもの頃、我が家には最初は猫、続いて犬を飼っていました。猫は捨て猫を育てましたが、「吾輩は猫である」の猫同様、決まった名前はありません。気が強く体に触れられるのが大嫌い、頭を撫でたり抱き抱えようものなら爪を立てかみつく始末。しかし家族の一員としての自覚は強く、我々が夜に出かけると見えないよう同行、どこかに身を隠し家に帰ると玄関で待ち受けるほどの忠誠ぶり。まるで家族を見守ろうとする孤高のボディガード風、不思議な猫でした。
猫が亡くなってからは、小学校の6年生の時、クラスメートから子犬を譲り受けました。名は「エス」、臆病な犬で家族以外誰にでも吠えます。犬小屋は戸外でしたので番犬にはなりましたが、新聞配達や訪問客には気の毒でたまりません。中学校・高校時代は一緒に運動に連れて行くのが私の日課。場所は水田の畦道、今のダイハツの工場が建っているところです。当時は家もなく人もいなかったので、鎖を外し思いきり海まで走り回ったものです。一人ぼっちが嫌なのか飼い主に跳びつきまわる甘えん坊で、深夜は遠吠えをするのをなだめるのが大変な犬でした。
以来動物は飼っていませんが、昔の経験からも犬猫は本当に可愛くて癒されるものです。現代は、ペットとして飼っている人・家が増えているのも理解できます。一方、鳴き声などうるさく、ご近所迷惑となることもありますし、犬猫が苦手な人もいます。動物愛護の精神からできるだけ野良犬や野良猫とならないよう飼い主が責任をもって飼育してもらいたいと思います。
中津市は今年度から野良猫対策とし、県の「おおいたさくら猫プロジェクト」に参加する市内の登録団体に対し、野良猫の不妊・去勢手術に要する費用を助成します。動物愛護と飼い主の飼育責任、両方が大切ですね。
(市報なかつ令和7年7月号掲載)