公開日 2025年09月17日
人生でつらいと感じた時、歌の歌詞やメロディが自分の心のあり様にマッチし力を与えてくれることがあります。あなたにもそんな歌がありませんか。積み重ねた経験が歌への思いを深めるのか、子供の時にはそうでもなかったのに、段々好きになっていく歌もあります。
坂本九さんの「上を向いて歩こう」。昭和の30年代、明るく爽やかな笑顔と歌声は多くの日本人に受け入れられ大ヒットしました。日本にとどまらず 「SUKIYAKI(スキヤキ)」ソングとしてアメリカなどでも大ブレイクし世界でも有名です。
坂本さんは昭和60年の飛行機墜落大事故で亡くなったお一人、40年を経た今夏、当時のニュースや残された坂本さんの奥様がこの歌を歌う姿をテレビで拝見しました。多くのご遺族にとってこの歌が癒しようのない悲しみの中で励ましになったと思います。
3・11東日本大震災後は、復興ソングとして、被災者の皆さんが「上を向いて歩こう 涙がこぼれないように 思い出す春の日 一人ぽっちの夜」と合唱しているのを見て、この歌が、つらい時の応援歌として力を発揮していることを強く感じました。
「いつでも夢を」。吉永小百合さんと橋幸夫さんのデュエット曲です。タイトルも歌詞も優しく、「言っているいる お持ちなさいな いつでも夢を」のサビ部分は、いつ聞いても暗い気持ちを乗り越え喜びに変える努力を促してくれ、よく口ずさみます。
話は変わりますが、アスリートが競技前、イヤホンを耳にリズムを取りながら待ち時間を過ごしている姿をよく目にします。自分を鼓舞する、闘争心を高める、逆に緊張感を解く、心身をリラックスさせるなど、自分好みの応援歌を聴いているのでしょうか。
一曲の歌が人を支え元気をくれます。歌の応援力、すごいですね。
(市報なかつ令和7年10月号掲載)