令和7年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2025年11月25日

 11月18日、大分市佐賀関で発生しました大規模火災につきまして、被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。この災害は約170棟が火災にあうという未曽有の大惨事であります。県や大分県市長会と密に連携を取り、対応しているところです。本市におきましても、火の用心、火の取り扱いの注意を促すなど火災予防に努めております。

 それでは、令和7年第4回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。

 まず初めに、こども・子育て支援の充実についてです。
 こども基本法の趣旨を踏まえ、こども・若者から直接意見を聴取し、本市施策に反映させる新たな取組として、10月25日に「第一回中津市こども・若者会議」を開催しました。今回は高校生18名が参加し、こども家庭庁から派遣されたファシリテーターの巧みなリードのもと、たくさんの意見を聴かせていただきました。
 また前日には、同庁主催の「こども意見ファシリテーター養成講座」が開催され、多くの市民、支援団体、周辺自治体職員の皆様にご参加いただきました。今後も引き続き、官民一体となって「こどもまんなか社会」の実現に努めてまいります。

 次に、物価高騰に対する支援についてです。
 事業者に対する支援では、燃油高騰の影響を受ける貨物運送事業者等の支援について、8月末まで申請を受付し、56の市内運送事業者に対し、支援金2,095万円を交付しました。このほか、介護高齢者施設、保育施設などの社会福祉施設における光熱費等の物価高騰影響分に対する支援も行っています。
 また、生活者への支援では、子育て世帯への経済的負担の軽減のため、市内の小・中学校、特別支援学校、幼稚園及び保育園等に通学・通園するこどものうち、第2子以降の給食費の無償化を引き続き実施しています。

 次に、災害に強い安全なまちづくりについてです。
 11月5日、大分県LPガス協会主催による、大規模地震を想定したLPガスの供給や炊き出しなどを行う総合防災訓練が中津市で行われました。
 また、女性の防災意識の向上や地域における防災活動への女性参画を促すことを目的として、11月3日と23日に「女性のための防災ワークショップ」を開催しました。11月22日には、消防救急業務に対する理解を深めてもらうため、毎年恒例の「消防・救急フェア」を開催し、多くの方に参加いただきました。
 今後も、市民が安全・安心に暮らせるまちづくりに向け、多方面との連携強化と防災に携わる人材の育成に努めてまいります。

 次に、人権尊重社会の確立についてです。
 12月4日から10日までの人権週間にちなみ、11月20日に「人権を守る市民の集い」を開催し、人権啓発に関する優良団体や標語、作文の優秀作品表彰を行うとともに、メディアリテラシーと人権をテーマにした記念講演会を行いました。

 次に、高付加価値化の取組についてです。
 中津の豊かな自然と生産者のこだわりから生まれた、優れた商品を認証する制度である「九州・中津逸品もん」において、新たに3事業者5件の商品を認証しました。これにより、認証品は合計42件となりました。

 次に、水産業の振興についてです。
 11月16日に、小祝漁港を会場として、中津魚市場、漁業者、仲買人及び中津市飲食業組合との共同で「市民おさかな感謝デー」を開催しました。会場では、中津ハモの日のロゴ発表のほか、マグロの解体ショーなどのステージイベントが行われました。海産物、農産物の販売、イートインコーナーも設置し、多くの来場者で賑わいました。

 次に、移住促進についてです。
 本市への移住相談件数が増加傾向にある中、移住希望者から「実際に住んでいる人の声が聞きたい」「仕事や子育ての具体的な情報がもっと欲しい」といった、より詳細でリアルな情報を求める声が寄せられていることから、これらのニーズに応えるため、移住ハンドブック『“移住したい!”が全てある。中津で暮らす』を新たに制作しました。冊子には、先輩移住者のインタビューや、気候、アクセス、各種支援制度、賃貸住宅の相場といった、移住を検討するうえで欠かせない情報を分かりやすく掲載しています。
 また、10月末で任期終了となった地域おこし協力隊員より、三光地域に定住する旨を報告いただくなど、制度を通じた地域への定着が進んでいるところです。

 次に、観光の振興についてです。
 9月7日から11月9日までの間、日本遺産「やばはく2025秋」が開催され、県内外から3,500名を超える方が参加されました。やばはくでしか体験できない、トレッキングやウォーキングツアー、アウトドアスパイス料理体験などのプログラムが多く実施されました。本耶馬渓地域では、10月30日に道の駅耶馬トピアで秋の新そば賞味会が開催されたのを皮切りに秋そばが解禁されたほか、耶馬溪地域の一目八景や、山国地域の猿飛千壺峡といった市内各地の観光スポットが紅葉を迎えるなど、秋の耶馬渓を楽しむ観光客で賑わいました。
 また、10月25日・26日の2日間、岡山県倉敷市で開催された日本遺産フェスティバルに出展し、日本遺産「やばけい遊覧」のPRをはじめ、本市の観光情報を発信しました。
 さらに、サイクリングロードのPRとレンタサイクルの普及を目的に、9月27日から11月30日にかけて、サイクリングロードデジタルスタンプラリーを開催しています。秋の耶馬渓をサイクリングで楽しんでいただくことで滞在時間の延長を図ってまいります。
 10月4日には、「中津からあげ」の地域団体登録商標10周年記念プロジェクトの一環として、道の駅なかつにおいて「中津からあげモニュメント」の完成式典を開催しました。同時に、県内の高校生・大学生を対象にした新メニューコンテストにおいて最優秀賞に選ばれた「からまぶし」「キノコっ子アイス」の2品のお披露目も行われました。今回のコンテストを通じて、本市の食の魅力を伝える機会となりました。この2品については、道の駅なかつレストラン内で販売しています。
 さらに、10月11日には、福岡市天神の福岡銀行本店広場において「中津からあげ祭り」を開催し、からあげの食べ比べや、九州・中津逸品もんの販売のほか、はも料理の試食ブースを設置し、観光PRを行いました。多くの来場者で賑わい、中津の味と魅力を広く発信する機会となりました。
 このほか、10月5日には、リル・ドリームにおいて「中津城下町まちなみシンポジウム~『つなぐ』まちなみ、『創る』まちなみ~」を開催しました。江戸時代の町割りが残る城下町の景観を守り活かし、地域ブランドの強化や観光振興につなげることを目的として開催したものです。サテライトオフィスの開設などによる地域づくりを行ってきた事例発表のほか、基調講演やパネルディスカッションを実施し、古民家活用やまちなみ保全の具体的な取組と課題、地域連携の可能性について活発な意見交換が行われるなど、有意義なシンポジウムとなりました。
 三光地域では、10月17日から11月5日までの間、19回目となる「三光コスモス祭り」が開催されました。今年は中津出身の作家、芥川なお氏による純愛小説『ストロベリームーン』が映画化されたことを記念し、作中に登場するひまわり畑の再現やライトアップ、打ち上げ花火などの特別企画も実施され、県内外から約9万5千人の観光客が訪れました。映画でからあげ店の娘役を演じた俳優の池端杏慈さんが、実際にひまわり畑を訪れたほか、映画公開を記念したセントラルシネマ三光での舞台挨拶や、第18回からあげフェスティバルのトークショーにも登壇するなど、イベント間の連携によりPRを図ることができました。
 11月7日には、クルーズ船「にっぽん丸」が中津港に寄港し、乗員乗客600名をお迎えしました。当日は、おもてなしイベントとして九州・中津逸品もんの販売や市内高校生による吹奏楽演奏などを実施し、大変喜んでいただきました。

 次に、公共交通網の整備についてです。
 10月1日から、本耶馬渓地域で「コミュニティバス イオンモール三光便」の試験運行を開始しました。水曜日に月1回、1往復で、本耶馬渓地域からイオンモール三光まで、屋形、東谷、西谷の3コースで運行しており、利用者からも好評を得ております。

 次に、中津港及び高速交通網の整備促進についてです。
 10月23日、東京で開催された「九州地区の経済と暮らしを支える港づくり意見交換会」に出席し、港湾及び海岸の整備・振興についての決議を採択しました。また11月12日には、国土交通省港湾局などを訪問し、中津港整備の予算確保及び整備促進について要望活動を行いました。
 11月5日には、東京で開催された「安全・安心の道づくりを求める全国大会」に出席しました。全国から地方自治体の首長1,112名が参集し、道路整備の促進や予算確保を求める決議を採択しました。大会後には、道路整備促進期成同盟会全国協議会の理事として、首相官邸を訪問し要望活動を行いました。
 また、11月12日から13日にかけて、国土交通省、財務省など関係者を議長とともに直接訪問し、中津日田地域高規格道路の早期完成に向けた整備中区間の事業促進、未着手区間の早期事業化及び道路整備予算の確保を要望いたしました。
 今後も、九州北部の交通・物流ネットワークの拠点地域として、引き続き行政・経済界・市民が一丸となり、国・県へ積極的に整備促進の働きかけを行ってまいります。

 次に、学びの里なかつの推進についてです。
 本市では、昨年11月に「学びの里なかつ」の推進に関する連携協定を締結した一般財団法人未来を創る財団との協働により、学びに関する事業を行っています。昨年に引き続き11月を「中津みらい月間」と銘打ち、毎週土曜日に5週にわたり多士済々の講師陣による講演会を開催しています。引き続き市民の皆様の学びの機会創出に努めてまいります。
 また、明るい話題として、10月に開催された全国高等学校ロボット競技大会において、中津東高校ロボット部が全国第1位と第3位という快挙を成し遂げました。道府県予選を勝ち抜いた72チームが出場する中、チーム一丸となったロボット製作や練習の成果を見事発揮し、市民に大きな喜びと元気を与えてくれました。

 次に、あらゆる主体との連携についてです。
 9月23日に、中津青年会議所によるまちづくり事業として、「青春×まちづくり~世代を超えて~」が開催されました。市内の高校生たちが約半年間、ワークショップを重ねながら考えたアイデアを、青年会議所のメンバーや商店街事業者、市の若手職員などと協力しながら実現させたイベントとなりました。

 最後になりますが、国の政治情勢が流動的な中にあっても、市民が安心して暮らすことのできるまちづくりを進めるため、その動向を注視しながら、未来に向け地に足をつけて今後の市政運営に努めてまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。

 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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