公開日 2026年04月22日
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケートで「りくりゅう」こと、三浦璃来・木原龍一さんのペアは大きな話題を呼びました。演技はもちろん、二人のコンビのありようが大きな共感を生んだのです。
ショートプログラムの演技では、二人にとって信じられないミスが起こりました。画面に映る木原選手の落胆の様子は、誰もが「大丈夫か」と思うほど痛ましく感じました。しかし、前日のミスを挽回する自由演技の堂々たる滑り、逆転の金メダルは、多くの応援者の胸を打ち大きな感動を与えました。
普段は年上の木原選手がリードする「兄と妹」のような二人。だが、今回は三浦選手が肝の据わった「姉」のように木原選手を支える。ペアとは時にリードし、時にリードされながら、状況に応じて役割をスイッチさせ成長していくものなのですね。
この「支え合いの美学」なるものを世の夫婦に当てはめてみるとどうでしょう。往々にして夫は普段、何事も自分がリードし「頼れる兄貴分」のつもりでいる。しかし、リードされているはずの妻は、実は夫を冷静に観察し、その実力も弱さもすべてお見通し。いざピンチが訪れれば、頼もしい「お姉さん」、いやそれを超えて「お母さん」のような包容力を発揮する。当然、夫婦によっては男女逆の役回りのこともあります。スケートにたとえれば、一方は「自分がリードしている」と思い滑っている横で、相方はすでに超難度のトリプルアクセルや4回転ジャンプをマスターし、共にうまくいくよう黒子に徹しているのかもしれません。
互いに練磨し、その役割を果たし二人の信頼のもとに築き上げるペアの醍醐味。私どもも毎日の生活でお互い協力し、シナジー(相乗効果)を生み出す。そして心の金メダルを相手にプレゼントしたいものです。
(市報なかつ令和8年5月号掲載)




